超絶ブラック企業のパチンコ店【その5】帰属意識を巧みに利用した無償労働

超絶ブラック企業のパチンコ店【その5】をお送り致します。

~過去記事はこちら~
超絶ブラック企業のパチンコ店【その1】
超絶ブラック企業のパチンコ店【その2】
超絶ブラック企業のパチンコ店【その3】
超絶ブラック企業のパチンコ店【その4】

ノヴとスクワラの店舗からの応援要請が既存3店舗に届いたわけだが、それは別に正式的な応援要請ではなかった。

っていうのも正式な「応援要請」としてしまうと残業代というか何らかの手当を支給する必要が表向きはある為に、ネテロ社長と部長は「応援要請」とはせずに既存各店の店長に「上手く言いくるめて手伝いにこさせるように」と指示を出した。

その結果、私の所属する店舗では私と他の数人の社員が結果的に手伝いに行くことになったのだが、その時の店長の言い回しは今でも忘れない。

「今度の月曜の夜に、新しい2店舗でグランドリニューアルの大幅入替えがある。悪いけど手伝いに行ってくれないかな。ノヴとスクワラを助けてやって欲しい

もちろん交通費も残業代も深夜手当も出ないのだが「ノヴとスクワラを助けてやって欲しい」という一言で他の社員は突き動かされた。
言い換えるとやらざるおえない状況となった。

つまり、超絶ブラック企業のパチンコ店【その2】で述べたように、この会社はファミリーなのだ。
そしてファミリーということは仲間が困っているのであれば助けなくてはならないということであり、そこには金銭的な何かを要求するのはタブーであるし、そういった発想さえもそこで働いている社員には規格外だった。

パチンコ店の入替え作業

当然、そこにいた私も行かざる負えない状況となり、私を含む計4人で現場に向かった。
新台の数は2店舗で90台なのだが、それに伴うレイアウト変更も凄まじかった。
service-p011
合計350台ほどの入替えとなり、既存店舗と応援店舗の社員総掛かりでも作業時間は深夜11時から翌朝7時まで続いた。

ちなみに私はその日は連休だったので、作業終了後は帰って寝た。
また、一緒に行った他の社員は15時~0時まで既存店で働いた後に、1時に応援に駆けつけ7時まで手伝った後にさらにその日の15時から仕事があるという状態だった。

このように、時間と労働力を搾取されたのにも関わらず手当は一切なし。
ファミリーという一言ですべてが済まされた。

社員は無限の労働力

私はそういった状況を見た時に「これは明らかにおかしい」と思い、何度も口を挟みそうになったのだが、結局長居する職場でもなかったので余計な衝突は避けようと口を挟むことはなかった。

ただ、ツッコミどころは沢山あるのだが敢えて一つ挙げるとすれば入替業者を呼んでいないということである。

2012.06.01_rinku_blog_1

パチンコやスロットの入替え作業は重労働である為、大手企業であれば閉店後に入替業者を呼んでそこに任せる場合が多い。
作業料は高額で10台の移動で数万円掛かる内容ではあるのだが、やはり現実を考えると依頼しているホールが多いのが現状だ。

しかし、その一方でネテロ社長のホールでは入替業者を頼んでいないだけではなく、それによって大幅に残業した社員に対しても残業代を払っていないのである。

経営者側にしてみればこれほど都合のいいことはない。
アルバイトとなると時給で動く契約なので流石に残業代を払う必要があるが、社員に関しては元々の残業代を支払っていないので無限の労働力である。

もちろん、このような状況下でも既存社員は「残業代が出ないのはおかしい」とか「業者を頼まないのはおかしい」なんてことは思わないし思っても言葉に出せない。何せファミリーなのだから、そういった賃金を請求するような行為はそこの社会に反するものでタブーなのである。

そして話は戻るが、私がどうしても許せないのは入替業者を呼ばないということだ。
入替業者を呼ぶコストが会社にとって痛いのは間違いないが、それなら代わりに余分に働いた社員に残業代を払えという話である。
そして、残業代が払う金も厳しいのであればそもそも入替自体をするべきではない。

つまり「集客の為に新台入替をしたいが、入替業者を呼ぶと金が掛かるので既存の社員に残業代なしでやらせる」という根性が気に入らないのだ。

ビジネスとは、それをやれば儲かるという何かがあるのだが、それをやるにあたっては一定のコストが発生するので、それを払ってまでやるべきなのかっていうことを考えるものなのだが、そのルールを一切無視している。

私から言わせれば入替業者のコストや残業代を払いたくないのであれば新装開店をやること自体が間違いなのだ。

社長の労いの言葉

そのような状況で、とりあえずは応援に駆けつけた私を始め他のスタッフは、無償で時間と労働力を切り売りしたわけだが、その数日後にネテロ社長が私の働くホールにやってきて、事務所内にいた私と他二人の社員に労いの声を掛けた。

「おう。クロロ、●●、●●。この前は入替えの手伝いに来てくれたんだってな。ありがとうな」

すると他二人の反応は…。

続きはこちらをクリック

“超絶ブラック企業のパチンコ店【その5】帰属意識を巧みに利用した無償労働”のコメント一覧

  1. yu-iti より:

    (・ω・)つ【辞表】

    辞表を突き付けたでファイナルアンサー

  2. 伝説の読み師 より:

    私は企業がファミリーとなっている会社こそ最悪のブラック企業だと思います。地方公務員とか、地方公務員とか

  3. マハロ より:

    他の二人はそれがごく当然の事のように返事をしたのではないですかね。クロロさんはそれを異常に感じたと。
    会社は家族。それだけ聞けば古き良き日本企業ですが、正当な報酬あっての労働者ですし、コストに見あう見返りがあるのか考えることも然り、残業させるにしても優秀な社員を辞めさせないように考えながら騙しだまし残業させるリスクマネジメント等するのが使用者ですからね。
    しかしなぜノヴとスクワラなんですかね。笑ノヴとモラウなら納得するのですがw

  4. でじゃぶぅ より:

    私自身、超絶ブラックジョブであろう風俗業なので昨今のブラック企業なんたらかんたらに『甘いな』と感じてしまいます。
    勿論これは自分が異常な感覚である事は認識しておりますよ(^-^;
    今回のクロロ氏の記事に、思わず昔を思いだしました。。
    私自身、相当無茶苦茶してましたから。
    約二年、多分800日くらい無休。1日8時間労働としたら、月の残業時間は300時間くらいになってたと思います。
    今は管理職ではありますが、従業員の休日は月に5日。残業代は特に無し。給与は大卒10年目くらいです。
    まだまだブラックですよね、きっと。

    今回の結末は全く読めません。
    ハッピーエンド確率1%だとは思いますが、1%ってパチスロでもそこそこ引いちゃいますからね。。

  5. ぷっ より:

    家族経営の会社は私腹を肥やす事のみのとこ多いですね
    気に入らないというのもわかりますが、働く側も選べるので正直どっちもどっちだと思っています
    自分で稼ぐ力をつけないと結局はすがるばかりで、選択肢が狭くなり我慢し続ける事になります
    そういう人の方が多いから成り立っている部分も多いのも事実ですけどね^_^;
    言う方にも問題ありますが、単純に聞く方にも問題ありだと思います

  6. いくみ より:

    クロロさんも、当時は口に出して言えなかったってことですよねー。本当に腹ただしいですね。

  7. アバター画像 クロロ より:

    皆さんの大変参考になるご意見ありがとうございます。
    考え方もそれぞれで面白いですね。

    当然、当記事は私の主観が色濃くなっています。
    残り2話くらいで終了だと思いますが引き続きお楽しみください^^

  8. ジュリエッタ より:

    自分の今の職場と似ている気がする。
    やたらと感謝、優しさ、仲間とかって言葉を使う人はずるいですね。

  9. いくみ より:

    ある意味一種のパワハラですね。

  10. にゃりこ より:

    こんばんは〜
    にゃりこは、バイトの時
    入れ替え後はココイチのカレーでしたw
    残業代なんか出ませんでしたー
    なので、就職は1話にあった
    大手に決めましたー。
    ほんとに差が凄いですよね。
    バイトで鍛えられた分楽でしたw

  11. ラ王 より:

    家族である条件に助け合うことがあると思うんですよね

    ペット飼ってると面倒を見る分、癒される時もあるのでペットは家族だと言われると思うんですよ

    つまりはそういうことです笑

  12. ボノ より:

    10枚交換くらい割に合わない職場でしたね。いやむしろ会社として成り立ってないと言った方が良いですねw

  13. あきたん より:

    まだ、社長が従業員に頭を下げ、礼を言うだけマシだと思う。

    弊社の社長は、何をしても、従業員に頭を下げることはない

  14. 北の養分 より:

    私も年〇問題の時はヒラの一般職でしたが、8時間勤務+6時間超過勤務でした。
    月100時間は超過勤務していたかな。

    昼休みも無し、お客様も4時間待ちとかでしたし窓口職員を休ませて代わりに出たりしてました。
    特に困ったのが課の同僚が精神疾患になり長期病休に入った時です。
    元々欠員状態での職場でしたから例え0.5人工の処理能力でも貴重な戦力でしたが、それが0になるので残った職員で平均割して処理するとなったのです。
    しかし、私に負担が何故か増えました。

    モチベーションを上げろって言われても厳しい状況でしたね
    隣の同僚も私に相談なく退職しました。
    なんか身の回り綺麗にしてるなぁと嫌な予感はしましたが若い人の人生観を大切にしないと…と納得しましたね。

    その分また負担が増えて、2人工以上の仕事をしてるのですから仕方無いですが、同僚が退職して4ヶ月で私もうつ病になりました。
    その後組織の解体と同時に私も退職して無職になりましたが、組織にしがみついて働いていた方が良かったのか今も振り返って考えてしまいますね。

    何を言いたいかというと身体は生産力の基本です、店長も皆様も身体に気を付けてくださいね。
    発病してからは遅いです。

  15. 大波 より:

    新台もそうですが、移動するだけでも一台あたりでバイト代もらえましたからね〜入替業者は美味しかったです〜

  16. ネフェルピトー より:

    日本人って企業側に言いくるめられて自分の主張をしない人が多いなと感じます。
    自分からしたら自分の人生を他人に搾取されてなんとも思わないのかなーって思っちゃいますが。

いくみ へ返信する

画像を追加する