LINE@の新料金プラン改定によるパチンコ業界の変化とその対策

LINE@

ビジネス向けとして、多くの企業が使用しているLINE@が来年春から料金が変更となるが、それによって、我がパチンコ業界にも大きな激震が走りそうな気配があるので、記事に書いてみようと思う。

目次(項目をタップでスクロール)

LINE@の料金システム

現在LINE@には以下の4通りのプランが存在している。

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■フリー
メッセージ送信数:1000通
料金:無料

■ベーシック
メッセージ送信数:無制限(5000人まで)
料金:5,400円/月

■プロ
メッセージ送信数:無制限(100000人まで)
料金:21,600円/月

■プロ(API)
メッセージ送信数:無制限(100000人まで)
料金:32,400円/月
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例えば、ある飲食店がLINE@のフリープランを導入したとして、お友達が300人存在したとする。
その場合は、月に1000通までしか配信できないので、お友達300人に対して3回配信したらその時点で終了となる。

しかし、ベーシックプランにすることによって、お友達5000人までであれば毎月何通でも無制限で配信できることになる。
仮にお友達2000人存在したとして、その2000人に対して毎日クーポンを配信するといったことも可能となる。

そして、お友達が5000人を突破すると、今度はプロプランが適用されることとなる。
この場合は、100000人までのお友達であれば無制限で配信できるというもので、8000人ちょいのお友達が存在している私は現在このプランを利用している。

▽クロロ店長のLINE
クロロ店長のLINE

友だち追加

このプロプランに登録しさえすれば、月に21600円でLINEが配信し放題となる。
さらに、その上の上位プランとしてプロ(API)なるものがあるが、これに関してはプロにMessaging API機能が追加されたものとなっている。

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LINE@の新料金プラン

そして、このLINE@に関しては2019年春から以下のようなシステムに料金が変更されると案内されている。

LINE料金変更 2019年
※クリックで拡大

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■ライト
メッセージ送信数:15,000通まで
※15,000通をオーバーすると1通につき5円の従量課金

料金:5,000円/月

■スタンダード
メッセージ送信数:45,000通まで
※45,000通をオーバーすると1通につき3円の従量課金

料金:15,000円/月
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率直にいうとかなりの値上げとなります。
仮に私のLINE@でシミュレーションしてみましょう。

まず、ここでいうメッセージ送信数とは、メッセージが送信された数となりますので、ブロックされている人は除外されます。
例えば、私のLINE@では8214人のお友達が存在しますが、2445人の巨乳ギャルにブロックされていますので、実質送信されるのは5769人となります。

LINE有効お友達数

つまり、一回の送信で5769人にメッセージが配信されるので、スタンダードプランであれば7~8回までの配信であれば基本料金しか掛からないということになります。

しかし、実際に今月(12月)の配信に関しては全部で32回も配信(予定)しています。

するとどうなるか?

5769人×32=184,608通

となり、そこから45,000通を引くと139,608通分に従量課金が掛かることとなります。

その場合の金額は・・

418,824円wwwwww

なんと、15,000円の基本料金に418,824円が課金されることになるので、月間433,824円の経費がLINE@で消えていくということになります。
これはとんでもないw

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新料金プランへの変更に対する対策

ここまで書いたように、2019年春からLINE@の料金が大幅に値上げされるわけですから、それに対して対策せねばなりません。
具体的にどのような対策が考えられるでしょうか?

現段階では以下の3つのパターンが考えられます。

属性を絞り込む

LINE@お友達を絞り込む

LINEを配信する際に「友達期間」「性別」「地域」などを指定してフィルターを掛けることが可能です。
例えば、上の画像では性別において女性を指定しており、そうすれば配信数が全体の2.5%に減少されます。

つまり、私のLINEの有効お友達数は5,769人なので、女性のみを指定して配信すれば1,442人の激カワ女子大生のみに配信されることとなります。

この機能の主な使い方としては、例えば東京都内にあるパチンコ店がグランドオープンしたとします。
その場合は、瞬間的にあらゆる地域のスロプー共が登録する可能性がありますよね。

その時だけしか来ないであろう、茨城・栃木・群馬・山梨・長野といったようにより多くの地域の客がLINE登録して、グランドオープンに足を運びます。

しかし、グランドオープンが落ち着いた後に、それらの地域の人が日常的に来店する可能性は低いです。
ですので、その後LINE配信する際には東京・神奈川・埼玉・千葉に限定して配信することによって、従量課金を抑えるといった対応策が必要となります。

地域にフィルターを掛けることの問題点
しかし、これにおいては一つ問題があります。
LINEユーザーの地域は登録した時の場所がその人の地域であると認識されるので(LINEはその辺を明らかにしていないがそう推測される)、例えば茨城在住と認識されているのに実際は東京に住んでいるケースもありうるということです。

その場合は、茨城を除外してしまうと東京に住んでいるのにも関わらず、その人にはLINEが配信されないことになり、配信者側としては集客チャンスを逃すことになります。

アカウントを分ける

上記のような欠点を補う為の、対策としてアカウントを分けるという方法があります。

それに関しては、メインのアカウントから各地域毎にお友達を分けるということです。

例えば、

関東地方の方はこちらに登録

中部地方の方はこちらに登録

関西地方の方はこちらに登録

みたいな感じで、配信先を分けるということですね。
この場合は、その地域の情報がほしいという人だけに情報が届くので、ユーザーにとっても配信者にとっても最も理想的な対応となります。

ただし、欠点としては以下の2つが考えられます。

①アカウントが増えるので、その分基本料金が増える
②メインのアカウントから、個別のアカウントに移行させることが手間となる

まあ、①に関してはしっかりとシミュレーションすればマイナスになることはないでしょう。
しかし②に関しては、どうしてもユーザーに手間という意味での負担を掛けてしまいますので、ここが一番の懸念材料となります。

例えば10,000人の有効お友達数が存在しているアカウントを3つの地域に分けるとします。
その場合は、10,000人中10,000人が移行してくれる可能性はゼロです。

多くの場合は、移行が面倒くさいので何もアクションを起こさない場合が多く、実際に移行するのは2~3割程度しかいないのではないでしょうか?

LINE@をやめる

実質大幅値上げの料金プラン変更ということで、このタイミングでLINE@をやめる業種が存在することも予想されます。

意外にもパチンコ業界ではけっこうあるんじゃないかなと思っているのですが、とりあえず有名ホールであるレイトギャップのお友達を例に見てみましょう。

レイトギャップ

お友達数が30,904人も存在しており、おそらく全国でもトップクラスの数であると思われます。
そして、この中での有効お友達数は私のLINEを例にすると70%となりますので、それで想定すると21,632人になります。

このホールがどのくらいの頻度でLINE配信しているのか分かりませんが、仮に特定日(6のつく日)・新装日・週末(土日)に配信するとなると月間16回の配信となります。

その場合の月額料金はいくらになるのでしょうか?

21,632人×16回=346,112人
346,112人-45,000人=301,112人
301,112×3円=903,336円
903,336円+15,000円=918,336円

今までのペースで配信するとなると、月間918,336円の経費が発生します(^^;

今までのシステムであれば月額21,600円で済んでいたのが、いきなり918,336円ですからハンパではありません。
これは凄まじいまでの値上げですよね。

ただ、LINE運営者側にしてみれば「してやったり」なんです。
LINEは無料から始められるLINE@を企業側に売り込み、今では多くのサービスにおいてLINE配信が当たり前となっており、もはや生活から手放せないツールとなっております。

つまり、最初は格安でサービスを提供して、生活から手放せない状態になってから料金を釣り上げるという営業戦略を取ったというわけですね。

以上の戦略はビジネスにおける鉄則といえます。

最初は収益ゼロでもいいから格安で実施して人を集めることが重要なのです。
そして、人を集めさえすればいくらでも収益化ができるというわけですね。

アイランド秋葉原 Twitter
アイランド秋葉原店Twitter

まあ、そんなわけなんで、今後LINEを継続するホールとやめるホールで分かれてくることが予想されますが、それ以外に変わるツールとしてはまずTwitterがありますよね。

例えば話題のアイランド秋葉原店などは、LINEではなくTwitterで情報発信を行っています。

また、それ以外においてもホール向けにSMS広告を提案する企業も存在しますし、DMMのプッシュ通知などもLINEの代わりとなる販促ツールといえますね。

▽ホール向けSMS広告サービスKBカンパニー
SMS広告 KBカンパニー

▽DMMぱちタウンのプッシュ通知
DMMぱちタウンのプッシュ通知

例えば、DMMぱちタウンであれば、プッシュ通知だけでなく、
台データ・機種情報・新台入替情報といった機能が月額19,800円で使い放題です。

この料金でこのサービス内容は破格といえます。

おそらくあと2~3年もすればP-WORLDやデータロボサイトセブンはDMMに負けると思いますね。
全国のパチンコ店情報はDMMぱちタウンが支配することになると思われます(あとみんパチ)。

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パチンコ店がLINE配信をする必要性が低い理由

LINEは広告宣伝においてもはや欠かせないツールではありますが、ことさらパチンコ店においてはそこまで重要ではない側面もあります。
その理由は、発信できる情報そのものに規制が掛けられているからです。

パチンコ業界では風営法による広告規制が存在しますので、基本的に発信して良いとされているのは、新装開店・リニューアル・グランドオープン情報くらいです(あくまで建前の話で実際はホールによって様々です)。

リニューアルとグランドオープンは日常的にあるものではないので、通常営業で配信するとすれば新装開店情報くらいでしょうか。

となった時に「新台の◯◯が導入しました」といった情報しか送れないのだとすれば、そこまで経費を掛けてその情報を発信することに費用対効果はあるのか?といったことを考える必要があります。

これが「明日は、髭原人が来店!」「明日は、7のつく日!ぜひご来店ください!」といったように、イベント示唆としてLINEを使えるのであれば効果はあると思います。

もしくは、営業終了後に高設定台の示唆をするなどといった使い方ができるのであればなお良いでしょう。

もちろん、地域によっては未だにそのような使い方をしているホールも存在することと思いますが、そこに規制が入った時に月に数十万も出してLINE配信をする必要があるのか?ということを考える必要がありますね。

余談ですが、近年パチンコ店長やエリア長のTwitterが流行った理由はそこにあります

LINEではすぐに所轄から目をつけられてしまうようなことでも、Twitterであれば抜け道というか、LINEよりも過激な情報を送れますよね。
少なくとも、企業ではなく個人のSNSという側面があるので表現の幅が広がるわけです。

最近では、船井総研などといった機関で、Twitterを立ち上げたいという店長やエリア長向けのセミナーも多く存在します。
私はネットでもSNSという分野でも神といえる存在ですが、多くのパチンコ店長やパチンコエリア長はSNSという分野ではズブの素人となりますので、そのような研修でもないと本当に効果的な使い方が分からないんでしょうね。

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LINE@の料金変更はいつから?

当初LINE@の料金変更は2018年11月からと言われていましたが、その後、2019年2月からに変更となり、今現在では2019年春に変更となったように話が二転三転しており、未だに正確な日程が確定しておりません。

おそらく、LINE運営者側も料金の値上げをきっかけとして、他の媒体に顧客が流れることを恐れているのだと思います。
料金を値上げすれば収益性が高まるのは確実ですが、少なからず利用者は減少するでしょうから、かなり慎重になっているんじゃないかと思います。

一説によると、このまま料金変更がなくなるという情報も存在しているので、個人的にはそれを望むばかりです(^^;

いずれにしても、もしLINE@の料金改定があった場合にはパチンコ業界にも大きな動きがあると思われます。
LINEを継続するホールや、他の媒体に移行するホールなど、そういった各法人の動きを見るのもけっこう面白いかもしれません。

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“LINE@の新料金プラン改定によるパチンコ業界の変化とその対策”のコメント一覧

  1. ゆう より:

    こんばんわ
    自分の地域のパチ屋もP-WORLDを辞めてDMMに移行してるホールが目立ちます。
    ただ現状DMMのサイトってピーワに比べるとすごい見づらいんですよね正直。それに多くの人が見るのって自分含めてだいたいの人はピーワ見てると思います。経費抜かしてもピーワ辞めるのって集客の面でリスク高いんじゃないのかなって思うんですけどどうなんですかね。
    あと台データもすごい使い勝手悪いし、サイトセブンほど詳細な情報が見れません。今はクソサイトってイメージですけど、今後よくなるんですかね。

    • アバター画像 クロロ より:

      おっしゃる通りDMMのホール情報や出玉データはP-WORLDやサイトセブンよりも見づらいですよね。
      DMMほどの媒体がなぜに、あそこまでレスポンシブ対応が酷いのかと疑問に思っております。

      ちなみに、P-WORLDをやめるということはほぼ全てのパチンコ店ではないと思います。
      あれって無料登録もできますので、DMMに乗り換えるとしてもP-WORLDは無料登録で継続すると思います。

      ちなみに、P-WORLDで無料登録しているホールの見分け方は以下の記事で解説してますんで良かったらご覧ください。

      P-worldの裏話・ビジネスモデル・活用方法

  2. じゅんたプリ より:

    確かにP-worldは業界人の閲覧が多いと思います。
    ですが、一般人も多く観られています。
    プレビュー数では業界で断トツトップです。
    2位のDMMとは何倍も差があります。
    仮に設置機種の検索だけであったとしてもP-worldを使う人が圧倒的に多い現実がありますので、その検索時にヒットしないのは営業戦略的に考えても明らかにマイナスです。
    業界人が多いから?検索だけでしょ?
    いやいや、機種検索して打ちに行く業界人がどれだけ多いと思ってるんですか?
    DMMでやってるから、もうP-wroldは更新も面倒だしいらないでしょ?なんて思っているホール関係者がいたとしたら、それは仕事に対する怠慢でしか無いです。

    • アバター画像 クロロ より:

      DMMに乗り換えたとしても、P-WORLDを脱退することは絶対にありません。
      青屋根の無料プランで情報だけは掲載するつもりです。

      おっしゃる通り、P-WORLDでは目的の台が設置してあるホールを地域で検索することができますので、あそこに機種情報を掲載しておくことは重要なことです。
      しかし、新台入替などが重なると面倒くさいという理由で、設置機種の情報を更新しないホールも珍しくありません。

      実際に、店休日や開店日の前日などにそこのデータを更新していたら「そんな暇あるなら台清掃でもしろ!」なんていう店長も昔は存在しました。
      また、ホールによっては設置機種を全部記載せずに推している機種だけ記載するホールもありますが、ああいうのもありえないですよね。

      私の場合はエクセルシートで機種名と設置台数を管理して、新装開店の度にそれをコピペして管理していました。

      ちなみに、P-WORLDの情報を更新することの重要性がどれだけ大切なのかってことは過去にも書いたので良かったお読み下さい。

      P-worldの裏話・ビジネスモデル・活用方法

      また、P-WORLDの閲覧数がDMMの何倍も上回っている件に関しては、四六時中ネットビジネスのことを考えパチンコ関連のサイトを複数運営している私であれば、もちろん承知の通りです。
      しかし、先月あるIT関連の社長と飲んだ時に「もう何十年もパチンコ店の情報をP-WORLDが支配しているが、ポータルサイトとして見た時に時代遅れの媒体。どうにか取って代わりたいものです」なんてことを話していました。

      とはいえ、これだけ浸透しているとこの牙城が崩すのはかなり難しいというのが現実ではありますね(^^;

      あと、P-WORLDは業界人の検索が多いとあり、うちの会社でもそう言われていますが、現実的にはそんなことはないんじゃないかと思います。
      もちろん、業界人も多いですが、一般ユーザーも多く利用しているでしょう。
      何より私自身がプライベートで設定狙いに行く時に毎回見ていますので。

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