業界人がパチンコの“遠隔”について語る【後編】
昨日のブログの続きです。
結論からいうと『遠隔』をやっている店は99%ないと断言できます。
その理由として遠隔のメリットとデメリットを考えていきます。
まず、メリットとしては『利益確保が容易になる』というものがあります。
パチンコ・スロットにおいては利益の取れる調整にしていても思うように利益が取れない(場合によっては赤字になる)ことが往々にしてあります。
例えば、等価の店で千円スタート15回転、または全台設定1という調整をしても赤字になることがあるのです。
そういった時に、遠隔で思うように利益が取れるとしたらそれは助かるでしょう。
また、必要な利益だけを取れるということは大きなメリットです。利益を取り過ぎて稼働が落ちてしまったということも多いわけでそのあたりが調整の難しいポイントといえるでしょう。
逆に『遠隔』のデメリットとは何か?
それは言うまでもなくバレたら営業停止といったリスクでしょう。
規模にもよりますがパチンコ店を建てるのに10億ほどの資金が必要です。
さらに、そこで働くホールスタッフ、クリンキースタッフ、ガードマン、事務員といった雇用といういわば人生も預かっているわけです。
また、パチンコ店を運営する会社においては1店舗単体というわけではなく複数の店舗を経営しているのが普通です。
となるとグループ全店で100億以上とか金掛けているところもあるわけです。
そういったとてつもなく巨大な資産が『遠隔』がバレることによって全て消滅するわけです。
『利益確保が容易になる』ことはメリットですが、先に述べたデメリットと天秤に掛けたときにリスクがでかすぎるのは言うまでもないでしょう。
では次に『遠隔』がバレるリスクについて考えてみましょう。
もし遠隔をバレずに使用し続けるなら、それを知っている人間を最小人数にとどめることが重要です。
例えば、店長から末端のアルバイトまで遠隔の事実を知っているのであれば、バレるのは時間の問題です。
そこで、いかにバレずに遠隔をやり続けるのかといったことを考えてみた時に、通常の会社の規模であれば情報共有者は以下のような感じになるのではないでしょうか。
社長
営業部長
エリア長
店長
副店長
業者
業者に関しては、その会社の従業員が10人いれば10人に秘密を握られていることになります。
そうなったときに、上記の例では遠隔の事実を知っている人物は15人もいます。
さらに、それらの人物は配置転換や退社することも普通にあるわけで、現場から離れた後にも果たして秘密を守り続けるでしょうか?
おそらく、危ないと思います。
遠隔なんて外で酒を飲んだときのいいネタになりますし、ポロっと喋ってしまう可能性は大いにあります。
ましてや、会社を退職した後でしたら、そんなことはどうでもいいことですからね。
そうなってくると、その噂は人づてに広がることになり、やがて警察の耳に入って手入れが入るのは時間の問題です。
さらに危険なのは店長の遠隔操作が周囲のスタッフにバレる可能性も大いにありますよね。
社員でも、アルバイトでもバレたら大変です。
つまり、まとめるとメリットよりも遥かにデメリットが大きくバレやすいのが『遠隔』というわけです。
ですから、そういったことを考えると『遠隔』をするという行為がいかにナンセンスなのかがわかります。
逆に、もし遠隔をやる店舗があるのであればそれはリスクが小さくバレにくい店舗ということになります。
つまり、自分が社長で店長というパターンですね。
この場合には、その事実を知るのは業者と自分だけというリスクを最小限に抑えることもできそうな気がします。
さらに万が一バレて営業停止になったとしても、潰れてもいい店であったら問題ないでしょう(営業している以上、そもそもそんな店舗はないと思いますが)。
以上が自分が99%遠隔はないと断言できる理由になります。
そもそも、遠隔って負けている人からよく発せられる言葉ですよね。
負けたことを全て遠隔というオカルトの責にすれば気が楽になるのでしょうか。
そんな思考だから勝てないんですよね~w