エコパチ・エコスロとは?
昨日は、新装開店により新台を購入する際に発生する莫大なコストがホール運営にのし掛かり、さらには客に大きな負担を掛けてしまうという構図を解説しました。
そして厄介なのは
「新台購入=客に負担を掛ける」
という構図となりながらも、客は新台を求めている(新台導入がないと業界が衰退してしまう)という現実なわけです。
これを打開する為に有効な手段はただ一つ。
新台の開発コストを抑えることです。
通常35~40万の新台価格を15万前後に抑えるだけでも客から回収する額は減ります。
しかし、単純に価格を落としてもメーカーが疲弊してしまうので、開発コストを抑えるというところが重要です。
もちろん、開発コストを抑えたとしても面白くない台が世に送り出されては業界は活性化されないので、ゲーム性以外の部分で余計な費用を抑えようということです。
一つの例としてエコパチにおけるシステムがそれにあたりますが、エコパチについて説明しましょう。
例えば
CR花の慶次SP~琉L2‐Kが登場したその数年後にCRA花の慶次SP~琉N‐Kが世に送り出されました。
そしてCRA花の慶次SP~琉N‐Kに関しては極力コストを抑えて開発されております。
その詳細を説明しますと「セル盤」と「台枠」が使い回しとなっています。
パチンコにおいては産業廃棄物として問題となっていますが、「セル盤」や「台枠」を使い回しする行為は一種のエコと言えます。
さらにそのて手順としては
①ホールで慶次を撤去
②慶次のセル盤をメーカーの工場に出荷(台枠は店舗の倉庫に保管)
③工場ではそのセル盤で次作の慶次を作りホールへ再導入される
といった流れとなります。
つまり、ホールが工場に出荷したセル盤がそのままホールに戻ってくるわけです。
それによって通常の半額以外で新台が導入できるのです。
エコパチにおいては他にも無数に存在します。
CR交響詩篇エウレカセブン~真の約束の地~
が
CR交響詩篇エウレカセブン~真の約束の地~甘デジtype
になったり
CR中森明菜 歌姫伝説~情熱EDITION~MAX
が
CR中森明菜・歌姫伝説~あつ菜EDITION~
になったり。
こうしてみるとほとんどがスペック違いでの再販になっているということが伺えます。
ですからエコパチから大ヒット作が生まれるということは残念ながらまずありえません。
しかしながら、コスト削減がホール運営や客の負担を軽減するという面においては素晴らしいシステムだと思います。
近年、パチンコ・スロットは著しい進化を遂げています。
どちらも初めて体験した時には、ここまで進化したのかと感動したものでした。
ついにパチンコは筐体から役物が飛び出すという領域にまできてしまいました。
どんな派手な演出にも客は慣れてしまうという現実の一方で、その期待を上回る為に常に試行錯誤するメーカー。
それに掛かる開発費用はホールや客の負担となると同時に、客の期待を上回る遊技台の進化は業界の進化ともいえます。
このジレンマは今後も続きそうです。
最後に私が危惧した出来事として、数ヵ月前にビスティから発売された機動戦士ガンダムの筐体についての話があります。
業界初の化粧パネル液晶搭載機として話題にもなりましたが、これは悪戯にコストを上げるだけの愚行だと感じましたね。
化粧パネルに液晶なんて贅沢な使い方をしても、それで客に感動を与えたり楽しませることができるなんて思えない。
莫大なコストを掛けても「PERFECT FACE Of GARO」くらいのことをやってくれるのであれば業界の活性化になるかもしれませんが、化粧パネルの液晶搭載に関してはデメリットしかないと感じました。
その後、SNKも化粧パネルに液晶を搭載しましたが個人的には今回で終了となってほしいと思います。
まあ、そのあたりは何より市場での評価によって正しい方向に向かうと思われますが。