ぱちんこCR真・北斗無双の営業裏話 出す店の見つけ方
「てめえ!バカ野郎!!」
「な・・!?
いきなりどうされました?クロロエリア長」
「どうもこうもあるか!!
12月以降のグリードアイランド2号店のスロット稼働の落ち具合は一体どうしたんだ!」
クロロエリア長はゴトー店長の運営するグリードアイランド2号店にやってくるやいなや怒号を発した。
早い話が、2017年12月以降の旧基準機設置比率30%規制が適用されてからの稼働の落ち具合に堪忍袋の緒が切れたのである。
トップピークをいかに上げるかという課題
グリードアイランド1号店はそのエリアでは圧倒的地域1番店だった。
台数は750台ほどのホールだったのだが、平日で50%、週末では80%の稼働率を維持していたのである。
しかしながら、2017年12月以降にはその高稼働にも陰りが見え始めた。
グリードアイランド1号店のスロット台数は350台であるのだが、旧基準機が105台までしか設置できなかった為に、残りの245台をいかにして埋めるかということが、大きな課題となっていた。
もちろん、245台中70台を占めるジャグラーとハナハナにおいては特にジャグラーの方の稼働が強い為に、ぼちぼち埋まるのだが、そこから先の埋まり具合がイマイチだったのである。
「ダメじゃないか!今までは週末で80%まで稼働が伸びていたのに、今では70%が限界点となっているぞ!」
クロロエリア長は店長のゴトーに不満をぶちまける。
ゴトーは答える。
「申し訳ありませぬ、クロロエリア長。
以前よりも旧基準機が減って5.5号機のクソ台が増えた為に、一筋縄ではいかなくなり申した。
5.5号機しか打つ台がないのであれば、退店して他の店の旧基準機を打ちに行ってしまうという客層が最近見られてきておりまする」
ゴトーの言っていることも最もだ。
まさに、現状のパチンコ業界ではそのような現象が起きている。
旧基準機設置比率30%規制が影響して、地域1番店といえども一定のラインまでいったらそれ以上の稼働の伸びが困難となっており、代わりに地域4番店以下のいわゆる過疎店の稼働が微増しているのである。
クロロエリア長は、ゴトーに問を投げかける。
「お前は、今後どうやって元の80%以上の稼働に戻そうと思っているんだ?」
ゴトーは答える。
「今現在、聖闘士星矢がバラに2台しかないのですが、新たに8台購入して、10台の小ボックスを作りたいと思っておりまする。旧基準機が打ちたくても打てなかった客の受け皿となりましょう」
すると、クロロエリア長の顔が豹変した。
「てめえ!バカ野郎!!」
怒号を発しながら、故パチンコ玉三郎の三井慶満社長ばりのドヤ顔で、事務所の灰皿を投げ飛ばした。
ちなみに、三井社長は現MID JAPANコーポレートサイトの社長であり、ミッド・ガーデン系列として新潟でブイブイいわせているパチンコ法人である。
聖闘士星矢を増台したいと言っただけで、ここまでブチ切れられるとはゴトーも心外である。
しかし、ゴトーにしてみれば、それが最も有効な手段と思っての提案だった。
現状の5.5号機で最も人気があり、爆裂スペックの聖闘士星矢を増台すれば、そりゃあトップピークの稼働は伸びると思う。間違いなく。
しかし、クロロエリア長は興奮気味に怒号を発する。
「貴様!聖闘士星矢が中古市場でいくらすると思ってるんだ!
280万だぞ!8台増台するだけで2240万だ!そんな金を会社が出してくれるわきゃねえだろ!」
クロロエリア長の発言することも最もだ。
しかし、ゴトーとしては腑に落ちなかった。
じゃあ、一体どのようにしてトップピークの稼働を上げろというのだろう。
ゴトーは質問した。
「お言葉ですがクロロエリア長。
機械を買わせていただけないのだとしたら、どのようにして稼働を上げれば良いのでしょうか?
まさか、オフミーやセクシー女優を呼ぶという小手先のテクニックではありませんでしょうな?」
すると、クロロエリア長は即答した。
「北斗無双を育成しろ」
ゴトーは面食らったように答える。
「北斗無双ですと!?スロット稼働を上げるのになぜに北斗無双を育成するのですかえ!?」
今後は北斗無双の時代になる
クロロエリア長は力説する。
「いいか。旧基準機の稼働がピークに達した後の受け皿として、北斗無双を育成するんだ。
出玉力のある旧基準機が大好きな層は北斗無双も大好きなはずだ。だから、旧基準機以外の選択肢として北斗無双も候補に入れてもらう。そうなれば、客が他の店に流れるリスクが減るだろう」
以上の発言を聞いたゴトーは目を丸くして答える。
「流石はクロロエリア長。
名案でございますなあ!」
しかし、ゴトーには一抹の不安があった。
例えば、北斗無双を育成するにしても、スロットユーザーに北斗無双を注目してもらう為にはどうすればよいのだろうか。
しかし、クロロエリア長の頭の中にはその後のサクセスストーリーも全て入っていたのである。
北斗無双の稼働アップ大作戦
「いいかゴトー。
まずは、人の集まる週末から力を入れるんだ。
平日に還元しても客はなかなか気づかない。
だから、まずは週末にボーダー超えの台を作るようにするんだ」
「はっ!
分かり申したクロロエリア長」
「そしてだな。
スロットユーザーに北斗無双を還元しているということを感じてもらう為に、週末だけ装飾を一新するんだ。
キリン柄のイスカバーやレインボー柄のフラッグを設置しろ。
そうすれば、装飾に敏感なスロプーどもは北斗無双を見に来るだろうよ。そうなれば釘が開いていることに気づく」
▽レインボーのフラッグ
▽キリン柄のイスカバー
「流石はクロロエリア長。
名案でございますなあ!
しかしながら、クロロエリア長。キリン柄のイスカバーはヤバいと思いまする。
先日、所轄から派手な装飾は射幸心を煽るゆえ控えるように言われ申した」
「んなこたわかってるよ。
だから土曜日なんだよ。わからんのか?
土曜日なら生活安全課が休みだろうよ。
長くても土日だけ装飾を取り付けて平日には外せばいい」
「なるほど!流石はクロロエリア長!
しかし、そのアクションによりスロプーに北斗無双を打たせたとしても食われて終わりになるのではと思いまする」
「オメーもしょうがねぇ奴だなぁ。
いいか。装飾を思いっきり派手にして、1ヶ月間は週末だけ北斗無双の釘をアケていれば、やがては一般ユーザーも北斗無双を出していることに気づくだろうよ。だから、最初はプロに食われてもいい。
一般ユーザーにも気になってもらうくらい北斗無双を盛り上げることが先決だ」
「なるほど・・」
「でだな、1ヶ月後の週末から装飾を強化するのを一気にやめるわけよ。
すると、スロプー共は北斗無双の玉出しは終わったと思うだろう?
ところがどっこい。装飾を外しても釘はしっかり開いてるってわけさ。
それによって、装飾に敏感なスロプーは北斗無双からいなくなり、一般ユーザーのみが相変わらず打つってわけさ。
そこで、初めて一般ユーザー中心に還元できる環境になるってことよ」
「流石はクロロエリア長。
名案でございますなあ!」
・・つまり、クロロエリア長の戦略は以下の通りだった。
②スロプーが週末にこぞって北斗無双を打つようになる
③北斗無双が盛り上がってきて一般ユーザーも打つようになったら一旦装飾の強化をやめる(でも釘はシメない)
④それによって、スロプーが北斗無双を打たなくなる
⑤一般ユーザーは装飾の変化に気づかずに相変わらず打っている
⑥それによって、一般ユーザーに玉が還元される
⑦結果、北斗無双の稼働がアップしホール全体の稼働がアップ。旧基準機を好むユーザーにも無双を訴求することによって、旧基準機が打てなかった時の受け皿となる
それは完璧なるストーリーだった。
確かに、その形であれば、間違いなく稼働が上がりそうだ。
しかも、最近のパチンコ稼働の低下にテコ入れすることもでき素晴らしいアイデアである。
ってことで、今後はその形で営業してみることにします。
いきなり週末に北斗無双を煽り始めたホールがあったら、たぶん私の店です。良かったら遊びにきてください。