パチンコ店内の防犯カメラは実はダミーであったという話
つい最近、私の同僚が管轄するホールで起こった出来事についてブログに書いてみます。
ICカードの盗難事件が発生
そのホールは、近くに今流行りのメガガイアができた影響で客が吸収されてしまい、4パチ20スロの客が飛んでしまいました。
その為、それをどうにか食い止めようと思って、
200万を投資して明日花キララを来店させたり、連日屋台販売でフランクフルト(一日限定66本)を売ってたりしてたんですけど、まったく集客には結びつかず、4パチ20スロの減台を余儀なくされました。
ってことで、今現在は1パチ&5スロオンリーの完全低貸しホールとして、オールパーソナルにすることによって人件費を削ってどうにか営業しているのですが、先日事件が起こりました。
早い話がICカードの盗難です。
まあ、ICカードの盗難に関しては特に人の多い週末に起こる可能性が高いです。
そして、傾向としては4パチよりも1パチコーナーでの方が起こりやすいです。
私自身も一時期、低スロ専門店で働いていてこともあるんでわかるんですけど、お金持ってない人たちが多いんで盗難系はけっこう多いんです。
例えば、4円打ってる人っていうのは、牙狼打つのに5~6万とかぶち込むわけだから、1万円をパクってやろうなんて基本的には思わないわけです。
しかし、1パチ打つ人にとってみれば1万円というのはえらい大金なので、ICカードに9000円とか入っていたら魔が差す傾向が高いということです。
同様に、機械トラブルにおいても4パチの客は大らかですが、1パチの客はうるさい傾向が強いです。
「スタートに玉が入らない」とか
「右打ちで玉が減り過ぎ」とか
「アタッカーに玉が入らない」とか
「払い出し遅れで玉がちゃんと出なかった」とか
クレームを言う傾向が4パチ以上に高く、とにかく4パチや20スロ以上に1玉1枚を大切にしている傾向があるんです。
で、そんな低スロ専門店で、ある日ICカードの盗難が起こりました。
「わずか3分、席を離れていた間にICカードをパクられるとは何様のつもりだ!?」
怒り狂った客は、店員を呼んでパクった奴をカメラで調べろと要求しました。
その後、スタッフは「少々お待ちください」と声を掛けた後に、その場を離れて約10分後にその客の元に戻りました。
「申し訳ありません。
残念ながらカメラには映っておりませんでした」
「はあ!?んなわきゃねえだろ!
あそこにカメラがあるのに映ってねえだと!?
そんな馬鹿なことがあるか!」
といいながら、客はカメラの方向を指差しました。
まあ、たしかに現場の方向にカメラが向いているわけです。
その後も、客は店員をまくし立てます。
「てめえ!
俺が映像を調べてやる!
事務所に入れろこら!」
「申し訳ありません。
関係者以外に防犯カメラの映像をお見せすることはできません」
つまり、あれだ。
防犯カメラを一般客に見せることができない理由としては、防犯カメラの映像を見せることによって、どこの場所が映っていてどこの場所が映っていないのか把握されてしまい、それは防犯上マズイので関係者以外にはカメラの映像を見せないというわけなのである。
つまり、防犯カメラの映像を見ることができるのは、店の関係者か警察だけというのが、多くのパチンコ店の共通したルールとなっている。
・・といったことを、その客に説明すると客は即座に答えた。
「ようし!わかった!
じゃあ、警察呼んでやるわ!」
んで、それから数十分後に警察が到着。
「ふむふむ。なるほど、盗難ですか。
わかりました。
私が、事務所で映像を確認してきますので、少しお待ち下さい」
その後、警察は店員と一緒に事務所に入るのだが、警察官は店員から衝撃の真相を打ち明けられる。
「実は・・。
店内カメラの8割は故障しており、映像が残ってないのです」
つまり、あれだ。
元々はちゃんとカメラが作動しており、映像をハードディスクに録画していたのだが、20年以上も営業しているうちにガタがきてしまい故障したのである。
もちろん、故障したのであれば修理すれば良い話なのだが、元々が低スロ主体の過疎店であり、利益が取れていなかったので何百万の修理費を出してカメラを直すということを本社は許可しなかったのである。
しかしながら、壊れたカメラといえども設置しておくことによって防犯の抑止力にはなる。
だから、撤去することはなく、壊れたカメラはそのまま存在していたのだった。
警察官は二つ返事で答えた。
「わかりました。
お客さんにはカメラの映像では犯人はわからなかったと上手く伝えておきますよ」
流石に客に対して「カメラは壊れていました」と真実を話してしまうと、客は激怒するだろうし、カメラが壊れているという噂が広まれば防犯面においてもよくない。
従って「映っていなかったという」嘘をつくことによってその場の対応を終えたのである。
以上のことは、私が立ち寄ったホールで事務所内で幹部と話をしている時に、現場ですったもんだしていた主任から聞いた話である。
カメラを直さないという選択肢には、若干驚いたと同時に、現場や警察の対応もかなりグレーだなと思った。
例えば、仮にホール内で殺人事件がおきたとなれば、カメラに映っていなかったという誤魔化しは通用しない。
しかし、その一方でICカードの盗難であれば誤魔化してもOKというのはおかしな話である。
被害者に対して嘘をついている時点で、この警察官の行動はかなり危ないと思うのだが、皆さんはどう考えますか?