本当にあったパチンコ店のサクラの話 前編
サクラとは、ホールに雇われてパチンコ・パチスロの台を代わりに打つ人を指す。
店が繁盛していることや店の出玉が良いことを錯覚させる、又、高設定台を一般客に打たせないために行われる。そのため店の関係者がやることが多い。台を打つための費用は雇い主の負担だが、利益の大半は雇い主のものとなるのが一般的である。
インターネット、スパム、雑誌などでサクラを募集していることも多いが、これはカモに登録料を数十万円払わせるなど、すべて詐欺である。
なお、サクラは犯罪である。
-Wikipediaより-
当ブログを開設してから一年以上が経過して記事数も400記事近くに登りましたがサクラに関する記事を書くのは今回が初めてです。
ただし、私のようにこの業界で何十年も働いていれば度々そういった場面に遭遇します。
実際にサクラに関する記事は3~4記事くらい書くことができます。
しかし、それを書かなかったのは当然公に書く内容としてはあまりに過激すぎると思ったからです。
ましてや、現役店長が書いているわけですからね。
とはいえ“サクラ”に関する記事は読者様が最も読みたいスクープであると思いますので、今回は三部作に分けて書いていこうと思います。
新潟のパチンコ店での話
もう10年近く前の話ですが、その日は主任として転勤先の新潟で働いていました。
当時は4号機のストック機全盛期で、巷はまさにスロットバブル。
スロ専がバンバン立地されていました。とにかくスロ専を出して北斗や吉宗を設置すれば儲かるという時代です。
さらにそれらの機械は数時間で万枚も可能な荒波スペックで、私自身も夕方から打って万枚オーバーという経験は度々ありました。
▽北斗の拳「2003年」
累計販売台数は約62万台を記録したパチスロ史上最大のヒット作
▽吉宗「2003年」
ピーク時の設置台数は約26万台。大量獲得機の中では歴代最大の設置台数。
そして、その店では当時の店長と副店長が設定を決めており、私と同僚の主任であるボルノレフはその設定を知ることができませんでした。
その後、転勤から数ヵ月が経過した頃に私はちょっとした違和感を感じました。
その違和感とは、いつも特定の人物数人が設定6に座っているということでした。
もちろん私自身は設定がわからないのですが、その店では毎日夜の8時に店長や副店長が設定6の告知をしており、それを見ていた時に特定の人物数人がそれにピンポイントで座っている場合が多かったのです。
しかも、朝は違う台に座って、その後移動を繰り返して最後に設定6をツモるというのであれば分かるのですが、そのケースでは朝一からツモっていたという場面が多かったのです。
流石にこれは「初めから設定を知っているんじゃないか」と思い、私は店長に相談しました。
すると店長からも「自分もおかしいと思っていた」といった意見が返ってきました。
店長の取った対策
となると、店長か副店長が一部の客に設定を教えているということになります。
設定を教えて6を打たせれば日当10万は取れますので、山分けすればいい小遣い稼ぎになるでしょう。
そして、私とボルノレフは設定を知ることができないので、相談した店長が教えてないのであれば教えているのは副店長が濃厚となります。
そこで店長が取った行動は副店長が休日の時に特定の人物の朝一の挙動を観察することでした。
つまり、前日の閉店後に店長が一人で設定を決めて、翌日副店長が休日の日であればその日は副店長が設定を知ることができません。
そして、その日も特定の人物が朝一から6をピンポイントでツモれば副店長が教えたという可能性はなくなります。
逆に、副店長が設定を決めた翌日であったり、副店長が早番でいる日に特定の人物が朝一から6をピンポイントでツモれば、犯人は副店長となるでしょう。
店長はこういったリサーチを水面下で進めていったのでした。
そして、もちろんその件は私と店長だけの秘密でした。