パチプロが設定師をやったら成功するのか?
「パチプロが設定師をやったら成功するのか?」
このテーマに関しては、時々思うことがありました。
社内の設定師には様々なタイプの人間が存在して、その人達を見ている中で時々考えていました。
だてめがねさんとの会話
約1年前に、すろぱちくえすとのだてめがねさんとSkypeしたことがあったんです。
その時にはたしか「北斗転生でリセット掛ける最適のタイミングはどこか?」って相談をしたのです。
転生のリセット恩恵はそこそこ強いですし、ある程度のハマリ台でないと安易にリセットを掛けてはいけないと思ったからです。
そもそも転生は甘くて利益が取りにくい機種なので困ったときはプロに相談しようと思い、だてさんにハーデスの設定6という交換条件のもとSkypeしました。
「だてさん、お忙しい中Skypeありがとうございます。
北斗転生で少しでも期待値を落としたいのですが、リセットを掛ける最適のゲーム数はいくつだと思いますか?」
「んーーーー、それは難しいですね。
まあ、それに関しては明らかに間違ったゲーム数でなければ若干アバウトでもいいと思います」
「てめえ!バカ野郎!!」
などといった、雑談を数十分した後に私が切り出したんですよね。
「だてさんは設定師やってみたいと思わないんですか?
スロット詳しいですし、いい設定師になれますよ」
するとだてさんは
「いやいやいやいやーー、私には無理です。
スロットで出すということは難しいですよ」
と答えたわけです。
それを聞いた時は「またまた謙遜してー」くらいの気持ちでしたが、その後すぐにだてさんの言った意味が理解できました。
パチプロは設定師で成功しない
もしパチプロ(セミプロも含む)が設定師になったとしても、いい設定師にはなれないというのが私の結論です。
その理由は、一般ユーザーの心理とかけ離れているからということが挙げられます。
これは私自身も設定を組んでる時に、度々衝動に駆られるんですけど
どうしても客に意地悪したくなっちゃうんです。
絶対にここは打たないだろうなってところに設定6を入れたりとか、とにかくわかりずらいことをしたくなるというところがあるんです。
もちろん、専業に食わせないという目的もあるんですけど、一般ユーザーに分かりやすい所に高設定を入れて打たせるという感覚があまりないといったところは否めません。
「2日間凹んでいるから3日目には出るだろう」といった予想を元に打ってみた時に勝てたら、お客さんは自分の予想が当たったみたいで嬉しいわけですよね。
だから、そういった台の設定をたまに上げたりする必要があるわけです。
でも、こういった判断は期待値稼働をしているプロにはなかなかできない。
つまり、一般ユーザーの気持ちになれないから、その人達に喜ばれる設定が組めないということなんです。
実際に私もまさにそのタイプの人間ですが、なぜこんな私が出世できたのかというと
利益の取り方とイベントの運営が抜群に上手かったからです。
ざっくり言うと、他の設定師がハーデスの800ハマリとかを平気で放置していた時代に、しっかりと宵越し対策を行っていたのでプラスαの利益を残せたということです。
その他にもバイオハザード5が出過ぎるからリセットして波を抑えるといったような低レベルの調整をやっている設定師が存在する時代に、私はリセットしたあげく天国否定まで閉店後回して期待値を落としていました。
この辺は業界内でもかなり初期の時代から行っていたので、AT機で利益が確保できずにAタイプの設定を無理に落とすということはしなかったのです。
その為に、莫大な利益を取りつつ稼働も安定していました。
つまり宵越し対策するか否かによって利益が大きく変わる時代だったからこそ、私の営業は評価を得たわけですが、それ以外の客側に還元するという営業においては下手というのが自分の認識です。
その理由はやはり「一般ユーザーの心理がわからない」ということが理由です。
エナ専や設定狙いのプロへの対策には絶対の自信がありますが、90%以上は一般ユーザーです。
では、その90%を喜ばせる営業ができるのかというと、できないというのが私の結論なわけです。
実際に会社内の人間を見渡してみると優秀な設定師というのは一般ユーザー(つまりは養分)がほとんど。
中にはパチンコ・スロットは嫌いで、プライベートではほぼスロットを打たない。という設定師すら存在するのですが、その設定師が非常に優秀で先月昇進したという例もあります。
その反対にセミプロの設定師といえば私くらいなものです。
なんというか、勝つための知識が付き過ぎているプロの設定師だと“隙のない営業”になると思うのです。
しかし、一般ユーザーはその隙を見つけてどうにか勝とうとするわけなので、その“隙”を上手に作ってあげられる設定師が良い設定師で、結果としてファンを増やして稼働を上げることができると思うのです。
宵越し対策ができないのであれば、それはマニュアルを作れば解決する問題ですが、一般ユーザーに上手に隙を作るという営業というのは、やはりセンスが関わってくるものであり、勝ち方を知り尽くしたプロには難しいんじゃないかと思います。
私はそう思っているし、あの時のだてさんの「私には設定師は無理です」といった言葉にもそんな意味が込められていたんじゃないかと思います。