【スロット営業考察】イベント日のオールリセットとユーザー心理
以前、私の部下であるバショウ店長が経営しているヨークシンシティ相模原店で爆裂出玉イベントを開催したのだが、その時の話をしようと思う。
ヨークシンシティ相模原店
その日は、朝一からクロロも出社してヨークシンシティ相模原店の朝の並びをチェックした。
すると、スロット設置台数300台に対して250人の並びとなり、ほぼ満台でのオープンとなった。
「素晴らしいじゃないかバショウ店長」
「ありがとうございます。
開催までの一週間は全機種に6が入るとずっとお客様に耳打ちしておりました」
実は、相模原市周辺においては年末にグランドオープンラッシュが控えており、ヨークシンシティ相模原店からドライブタイムで30分の場所に実に3店舗の新規出店が控えていたのであった。
その為、競合が現れる直前にしっかりと良いイメージを付けておこうと思ったわけである。
「今の時点でノルマ50%達成してるわけだし、年末で取れるだろうから今日は還元しても問題ないな。
設定はしっかり入れたんだろ?」
「もちろん入っておりまする。
絆・ゴッド系・沖ドキなど全て6が入っておりまする。
ただ、全機種に6とはいっても、バラエティには流石に入っておりませぬ。
そこに関してはクレア2やクランキーセレブレーションなど、分かりやすいAタイプに5を散らしておきました。
それで奴らは何も文句を言いますまい」
「流石だバショウ店長。
これで今日のアウトは23000枚くらいはいきそうだね♪」
とまあ、このようにガセが多いと噂されているクロロエリア長管轄のヨークシンシティ相模原店においては、回収の計算が立つ年末前のイベント日ということで、そこはガセらずに設定を入れてオープンしたのだった。
実際にその意気込みが客にも伝わったらしく、その日の集客においては朝の並びから順調となった。
昼過ぎに稼働が急降下
そのままラストまで順調にことが運ぶと予想していたのだが、オープンからわずか2時間で徐々にホール内に空席が目立つこととなった。
これは一体何事だろうか?
事務所のモニターで状況を見守っていたクロロエリア長の表情に暗雲が立ち込める。
「なんかいつもより稼働が落ちるの早くねえか?
ちゃんと設定入れたんだよな?
ちょっと、チェックシート見せてみろ」
隣の席のPCにて来年1月の新台稟議書を制作していたバショウ店長が、その言葉に反応し鍵の掛かった引き出しからチェックシートを取り出しクロロエリア長に手渡した。
するとシートを見渡したクロロエリア長の顔がたちまち紅色に染まった。
「何だこりゃあ?」
クロロは続けて話す。
「お・お前これ、設定6以外の台の半分近くが据え置きになってるじゃねえか・・?」
バショウが答える。
「はい。6以外の台の半分はリセットで残り半分が据え置きになっておりまする」
「てめえ!バカ野郎!!」
「な・・!?
どうされました?クロロエリア長」
「今日みたいなイベント日に据え置きの台が動くわけねえじゃねえかバカヤロー!
据え置き=低設定と言っているようなもんだ!
朝一に据え置き挙動が出たら一発で捨てられるぞ」
クロロはいつになく興奮気味の口調でバショウをまくし立てた、ただ今回はバショウにも言い分があったようだ。
それに対してバショウは以下のように反論する。
「クロロエリア長!それは違いまする!
高設定台以外は全てオールリセットのホールではユーザーは引いてしまいまする。
据え置きもあえて残しておくことによって、高設定を探しやすくさせる要素を残して置くべきだと思いまする」
バショウの言っていることも最もだ、目の肥えたユーザーを囲い込む為には「食える店かも」と思わせなければならない。
その為にもあえて据え置きを残すということは、今後のイベント日においても来店のキッカケになる可能性が大いに高まる。
据え置きと判断した瞬間に捨てられる可能性はあるが、ユーザーからしてみれば高設定を探す上での大きな判断材料となりありがたい。
しかし、クロロエリア長は納得していなかった。
「貴様~~!
結果として稼働が低下してるんだぞこの野郎!
そんなこと稼働率100%の日にやることじゃあねえだろう。
稼働率50%くらいの日であれば、それをやっても後から他の台を打ってくれるかもしれないが、100%だと打つ台がないし空いたとしても余程挙動の悪い台しか空かないから帰るしかなくなってくる。
つまり“据え置き=帰る”しかなくなるんだぞ!
こういうことはどうせなら他の日にやれ!」
その後、クロロは近くにあった灰皿を投げ飛ばすとそれがなんとバショウの顔面に命中してしまった。
これによってバショウの堪忍袋の緒が切れた。
「この野郎っ!」
それに対してクロロも応戦。
「いい度胸だ・・!」
しかし、次の瞬間!
事務所に人影が・・!?
「あの~~店長。
水着でホール回るの寒いです~…」
イベントの賑やかしの一環として、ホールスタッフの撫子さんに時給4000円を払い、水着でホールを回ってもらっていたのだった。
その後、クロロとバショウは何食わぬ顔して、デスクワークに取り掛かり始めたのは言うまでもない。
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