女性店員の喧嘩の修復に失敗した痛い思い出 後編
昨日の記事の続きです。
昨日の記事を読んでない方は以下の記事からお読みください。
女性店員の喧嘩の修復に失敗した痛い思い出 前編
「流れちゃったんですか」
ケンシンはその言葉にショックを受けた。
「え!?なんでこの人はそんなこと知ってるの?」
妊娠した赤ちゃんが流れてしまったという極めてプライベートかつデリケートな情報を常連客の連れの女が知っていたことに、ケンシンは動揺した。
この情報を知っているのは、店内においては一部のスタッフのみであるはずだ。
これはどう考えても原因はあいつしかいない。
そう。
連れの女と仲が良くホール内で頻繁に話をしていたシンゲンである。
しかも、携帯番号も交換したみたいだし、シンゲンがこの出来事を連れの女に流したに違いない。
おそらくシンゲンにしてみれば、世間話の時にポロッとこの妊娠の件を連れの女に話したのだと思われる。
しかし、こんなことをいきなり客に言われていい気はしない。
というか、大ショックというレベルの話である。
赤ちゃんが流れた事実を乗り越えてどうにか仕事をしている最中に、そんなことを言われるなんて・・。
社員ミーティング
以上のことが発生してから、ケンシンは女性社員にこの件を相談した。
するとその女性社員は店長にそのことを報告し、社員ミーティングにて問題提起されることとなった。
「ケンシンの秘密を軽々しく客に話したのはシンゲンしかいないだろう」
「ケンシンの為にシンゲンに何らかのペナルティを与えるべきだが、証拠がないのでどうしようもない」
「そもそもシンゲンが客と連絡先を交換してる時点で解雇すべき」
などなど。
様々な意見が飛び交うなか、当時班長であった私は次のように発言した。
「俺が2人に話をさせますよ。
2人してギクシャクしながら疑心暗鬼で仕事してるのも良くないでしょう」
この私の発言に対しては「だからそれでどうするんだ」と否定的な発言も多かったのだが、私は強引に話を進めてそれを実行することにした。
客にケンシンの秘密をバラしたのは?
その後、私はまずケンシンに話をした。
彼女は今回の件に関してショックを受けており、シンゲンに対して疑念を抱いていた。
もし、シンゲンが女性客にスタッフの秘密をバラしたのであれば、彼女に謝罪してもらわないと腹の虫がおさまらない。
その為「とりあえずシンゲンと話してみるか?」
とケンシンに聞いてみることにした。
すると、ケンシンはそうして欲しいと返答したので、私はある日シンゲンとケンシンを個室に呼び寄せて3人で話をしたのである。
話とはいっても
「スタッフの秘密を客にバラしたのはお前だろう!」
と頭ごなしにシンゲンを叱りつけるわけではなかった。
とりあえず、まずはケンシンから話をさせたのである。
その後、ケンシンは事件の一部始終をシンゲンに話したのだが、シンゲンは心当たりがありませんと答えた。
しかし、ケンシンは再び話をした。
「妊娠が流れたという事実を知っていて、あのお客さんにそのことを話したのはシンゲンしかいない」
ということを一定の根拠の裏付けを持って冷静にシンゲンに伝えると、シンゲンは泣き出した。
「私がやりました・・」
ようやくシンゲンは白状したのだった。
「ケンシンさんのことを軽々しく話してしまいました」と。
私は、シンゲンが白状してくれたのでホッとした。
ここで最終的にしらを切られると、さらに微妙な空気で終わってしまうが、白状してくれればそこから仲直りすることも可能である。
シンゲンは泣きじゃくりながらもケンシンに謝り、私をその様子を見て最終的に仲直りするような言葉を双方の口から発言させた後に、最後に2人を握手させてその場を終了させた。
これにて一件落着である。
翌日・・
その後、私は犯人はシンゲンで2人は仲直りしたということを店長に伝えた。
これで2人ともわだかまりなく仕事ができるのではないかと思い翌日出勤したところ・・
出勤時間になってもシンゲンの姿が見えなかった。
シンゲンが無断欠勤でバックレた・・!
その後、店長に次のようなことを言われた。
「シンゲンはスタッフの秘密をバラしたということで、働き辛くなったんだろ。
そりゃ、当然そうだって。
2人は仲直りしたとクロロは言っていたけど、シンゲンは間違いなく職場には来れずにそのまま無断欠勤してバックレるだろうなと思っていたよ。
しかし、かといってこの件をほったらかしにして解決させずにおくのもケンシンにとってストレスだろうし、いずれにせよどうしようもなかったってことだね」
私としてはその場に居合わせて、目の前で2人を仲直りさせた立場であり、これで翌日から2人とも仲良く仕事をするところを想像していたので、シンゲンが無断欠勤となったことに関してはショックだったし、それよりもとても寂しい気持ちだった。
「どうあがいても仲直りして分かり合うことはできなかったのか」と・・。
以上のことは、若かりし頃の自分が発奮してチャレンジしたが失敗したことであり、若干苦い思い出である。
ということもあって、今後も女が多い職場には身を置きたくないと思っている。