職場の禁煙の問題で爆弾発言した時の思い出
2019年3月19日。
ソフトバンクは社内での喫煙を段階的に禁止にすると発表した。
ソフトバンクは社員のたばこ一服に「NO」、2020年完全禁煙へ
ソフトバンクは社員の健康増進のため、段階的に禁煙を実施し、2020年10月の新社屋への移転をめどに全国の事業所内の喫煙所を撤廃する。19日の発表資料によれば、同社は受動喫煙の防止や喫煙率の低下を目的に、19年4月からプレミアムフライデー(毎月最終金曜日)の就業時間中の喫煙を禁止する方針。10月からは定時退社日の毎週水曜日にも実施する。20年4月から全面的に禁煙にするという。
このほか、勤務時間インターバル制度を導入し、終業から始業までに10時間以上の連続した休息時間を取ることを義務付ける。また、がんの通院治療が必要な社員に対しては、治療休暇も設ける。
引用元:Bloomberg
東京五輪だの何だのの影響で、社会が禁煙の方向に向かっています。
これは今から10~20年前であればとても考えられなかったことです。
今日の常識は明日の非常識
個人的に一番衝撃的だったのは、今から約5年前くらいでしょうか。
スターバックスが全面禁煙になったことです。
コーヒーと喫煙は切っても切り離せない関係だと思っていたので、店内を全面禁煙にしたスタバ経営陣の判断は私には理解できませんでした。
それから何年もの月日が経過して、今となればそれがごく当たり前のこととして常識となっていますが、やはり当時抱いていた「コーヒー&喫煙」というカフェの常識を考えた時に「そんなことしてしまって大丈夫なのか?」という疑問を持った方は多かったと思います。
また、それと同時期に登場したのが「禁煙のパチンコ店」ですね。
代表的なのがダイナム系列の「信頼の森」ですが、これもスターバックスが禁煙になったタイミングとほぼ同時期だったと思います。
もちろん、信頼の森以外にも禁煙のパチンコ店は存在していた可能性がありますが、ダイナムみたいな大手が禁煙のパチンコ店を作るとは随分大胆な決断をしたものだと当時は思いました。
これに関しては「パチンコ&喫煙」という常識を打ち破った発想となりますよね。
・コーヒーを味わう上での煙草
・パチンコを楽しむ上での煙草
これらは切っても切り離せない完成であるという常識が、固定観念として存在していたわけですが、時代の変化と共にそれが非常識になっていくこともあるということです。
パチンコの職場環境における禁煙の歴史
ここまで書いたように、現在では社会全体が禁煙の方向に向かって動いていますが、パチンコ店の職場内における喫煙事情は様々だと思います。
そして、結論からと言うと現状では以下の4パターンとなっていると思います。
①職場内では全面禁煙
②喫煙所を設けておりそこ以外では全面禁煙
③スタッフ休憩所以外では全面禁煙
④スタッフ休憩所・事務所内問わずどこでも喫煙OK
流石に、今の時代に④の状態で営業しているパチンコ店はないかと思われますが、私が入社した当時・・といいますか12~13年前までは④の状態でした。
スタッフ休憩所を始めとして、応接室や事務所内においてもみんな自由に煙草を吸っていましたね。
ホールから事務所に戻ってきて「疲れたな~」と煙草を一服しながら、ホルコンのデータチェックを行うという光景が日常茶飯事でした。
まあ、これはパチンコ店に限らず、職場の事務所内で喫煙がフリーという状態は12~13年前であれば常識だったのではないでしょうか?
それから、しばらくして「事務所内で煙草を吸うのはやめよう」という風潮が社内に広まりました。
それによって、会社全体で事務所内は禁煙というルールとなり、煙草を吸っていい場所は休憩所のみとなりました。
んで、さらにそこから長い月日が経過した後に「休憩所内には非喫煙者も存在するから、他の場所に喫煙所を作って喫煙者はそちらで煙草を吸う」というルールとなりました。
私の法人では、現在その状況でありスタッフにおいては喫煙所でのみ煙草を吸うのがOKとなっていますが、おそらく現在ではこのパターンの法人が最も多いと思います。
そして、今回ソフトバンクが打ち出した計画は、職場内の喫煙所を撤去して全面禁煙にするというものであり、いよいよ職場の禁煙における最終段階に入ったということといえるでしょう。
禁煙にすることによるデメリット
あらゆる職場の中でも、パチンコ店という職場においては禁煙を推進するのが非常に困難な職種といえます。
その主たる例が、従業員のほとんどが喫煙者であるからです。
今も昔を見てみても、基本的には高卒のギャルやヤンキーが中心の職場となっておりますので、そいつらは大体タバコを吸っています。
そして、特に女性スタッフにおいては、浜崎あゆみや倖田來未にリスペクトしたような女がほとんどであり、そいつらは例外なくタバコを吸っています。
もし、そのような状況で「スタッフ休憩所は禁煙」というルールを作ってしまったら、そいつらが退職する可能性はかなり高いです。
ですので、禁煙にしたくてもできないという現状があります。
ってか、店長自体もヘビースモーカーというケースがほとんどなので、職場全体で禁煙にする必要性が全くもってないんですよね。
その為、現在では「喫煙所を設けてその他の場所では禁煙」というルールとなっていますが、その段階に持っていくだけでも相当苦労したというか、かなりなあなあになっていた部分はあります。
時代の流れで、職場内における環境も禁煙の方向にシフトしていくわけですが、そのルールを破る社員が後を絶たない状態であり、長い月日を掛けて「喫煙所」以外では禁煙という常識がようやく出来上がったということですね。
そして、このような常識を一度作ってしまえば「喫煙所以外で喫煙する人」は存在しなくなるのですが、そうなるまでの常識を作り出すまでの過程が非常に困難なことであったと今思い返しても痛感します。
私が職場内で喫煙していた理由
ここまでの文章を見た時に、私(クロロ)は非喫煙者なのか?とお考えになった読者が多いかと思いますが、昔は喫煙者でしたが今では非喫煙者といったところです。
細かく話すと、この業界で働くようになってからタバコを吸うようになりましたが、ヘビースモーカーではありませんでした。
休憩中に1本だけ吸うというルーティンであったので、タバコ1箱を3~4日かけて消費するといった感じであり、超ライトスモーカーだったんです。
ちなみに、飲み会などの席においては、タバコを吸う量がアップしたというのはあります。
酒とタバコの相性が良かったので、1回の飲み会で15本くらいは吸っていたと思います。
しかしながら、前述した通りタバコは超ライトスモーカーでしたので、やめろと言われればいつでもやめられるレベル感の人間でした。
その為、実際に今はタバコを辞めていますし、もう5年以上吸っていません。
ですので、ニコチン中毒という感覚が分からないですし、職場で吸うタバコを美味しいと感じたことはありませんでした。
ただ、何となくそれとなく吸っていた状態であり、やめようと思えばいつでもやめられたわけですが、それでもやめなかった理由は・・
緊張をほぐすためでした・・
いや、この業界では「パチンコ店員」や「コーヒーレディ」や「清掃員」や「コンパニオンガール」といった形で、とても多くの女性スタッフが職場に存在していたので、休憩所に入ると常にいずれかの女が休憩しているわけです。
そして、その休憩所で2人きりになったりすると会話に困るわけじゃないですか(^^;
そういう時にタバコって便利なんですよね。
沈黙の時もタバコを吸って誤魔化すことができるわけです。
しかも、当時の私はLAのメタルバンドExtremeが80年代に発表した名曲He Man Woman Haterに影響されていたこともあり、大のウーマンヘイター(女嫌い)だったわけですから、女と話すことは何もないわけです。
マジで女は「食う」「寝る」「子供を作る」。
この3つだけしか取り柄がねえと思ってますから、彼女たちと話すことは私にとっては何もないわけですね(それでも大好きですけど)。
以上のことにより、タバコはそこまで好きではないのですが、女性の多い職場内で緊張をほぐす為に無理やり吸っていたということなんです。
クロロ主任の暴言
以上のような環境の中で、会議中に爆弾投下した今でも忘れられない思い出があります。
それはもう10年も前の話です。
当時の私は主任だったのですが、月に1回、店休日に店内で大きなミーティングが開かれておりました。
その出席者は、その店の「店長」「副店長」「主任」といった店内の幹部の人間に加えて、
「エリア長」や「人事課」といった本社直属の人間も参加していました。
そして、そのミーティングは毎回月末に開かれており、来月の営業をどうしようか?
または、職場やスタッフの問題などを議論したものとなっていました。
そして、ある日のそのミーティングの時です、その時はエリア長が会議を進行しており、
その他には、店長(1人)・副店長(2人)・主任(4人)・係長(人事課)というメンツとなっていました。
ちなみに、前述した通り当時の私はその中の主任にあたります。
会議は毎回ダラダラした内容となっており、半分くだらねえという気分で当時の私は参加していたのですが、5時間ほど経過してようやく会議が終わりに近づき、進行役のエリア長は次のように発言しました。
「それじゃあ、ここで会議を終わりにしようと思うが、最後にみんなから何かあるか?」
当時の私は、ここで上司や同僚の方々にどうしても伝えたいことがあったので、このタイミングで発言することにしました。
このことに関しては、会議の途中に発言べきことではなかったので、終わりがけに発言することに決めていたのです。
「エリア長。すみません。
自分から一つあります」
「おっ。クロロか。
どうした?」
「この会議禁煙にしませんか?」
タバコを片手にミーティングを進めていた小豆エリア長に向かっての、この爆弾発言に場の空気が一変した。
ってか、エリア長以外においても、人事課の係長以外のすべての参加者が喫煙しながら会議に臨んでいたのである。
ここまで書いてきたように、当時の職場においては喫煙が当たり前の環境だった。
その時期になってようやく事務所内のみ禁煙となったのだが、休憩所や応接室や会議室においては喫煙フリーであり、その会議中においても喫煙フリーだった。
しかし、当時の私はその環境がすごく嫌いだった。
前述したように、自分自身は職場の女性スタッフと休憩所で2人きりになった時の緊張をほぐす為のツールとしてタバコを吸っていたので、喫煙者であることに変わりはなかった。
ただ会議中に、みんな当たり前のように喫煙することに対して「なんだかな~」という違和感を覚えていた。
早い話が、会議中に偉そうに営業の話をしてるけど
所詮お前ら、田舎のヤンキーと変わんねえだろ
ということを、当時のエリア長や店長に対して本気で思っていたのである。
エリア長は苦笑いしながら「禁煙にする理由は何だい?」と私に問いかけてきた。
当然「お前ら田舎のヤンキーと変わんねえだろ」という直接的な表現はしなかったのだが、
「一社会人として、タバコを吸いながら会議に臨む姿勢に違和感を覚えます」といったようなことを、タバコを片手に司会進行しているエリア長に向かって発言したのである。
その後、次のような話もした
「休憩所においても、喫煙者と非喫煙者でスペースを分けた方がいいと思います。タバコを吸わない新しいアルバイトスタッフが入社してきた時に、他のみんながぷかぷかタバコを吸っている同じスペースに一緒にいるのは嫌だと思うんですよね」
当時は、事務所内だけにおいてようやく禁煙という新しいルールが浸透してきた時代だったので、そこからさらに先に踏み込んだ、休憩所を禁煙にして他に喫煙所を作るといった話は全くもってありえないものだった。
そのため、そこにいた他の主任(そいつもヘビースモーカー)から反発を受けた。
「休憩所を禁煙にして他の場所に喫煙所を作るのは反対です。
スタッフの9割以上が喫煙者なわけですから、そんなものは必要ないですよ」
このような発言もあったというわけで、スタッフ休憩所における禁煙のルールを作ることはできなかったのだが、会議中は禁煙という私の提案に対しては、他のメンバーはしぶしぶ受け入れてくれることとなった。
人事課の係長からの電話
そのような感じで会議は終了したわけだが、帰宅後の23時くらいに人事課の係長から電話があった。
普段まったく連絡のない人だったので、何事かと思い電話に出てみると次のようなことを言われた。
「クロロさん!今日、本当にすごくいいこと言っていたと思います!」
ただ、それだけの内容を係長は連呼していた。
係長だけに私よりも地位は上なのだが、私よりも年齢が一つ下ということもあり、その人はいつも私に敬語を使っていた。
その人は、かなり体育会系の人であり、それから5年後に退職してしまったのだが、原因は会社内の幹部の不祥事において会社内でそれをもみ消してしまったということに納得できないということが原因だった。
たしか、本社の営業部長が現地のアルバイトスタッフに手を出して妊娠させてしまったのだが、それを社内で公にしてしまうと営業部長を降格せざるおえなくなってしまう。
しかし、その営業部長の手腕は会社にとって重要なものだったので、公にして降格させることはしなかったという措置をとったという話だったと記憶している。
まあ、そんな真っ直ぐな性格の係長だっただけに、信念を持った私の言葉に対して心を震わされたのだろう。
ただし、その後の話をすると、私の発言で会議中の喫煙は禁煙となったのだが、店長や副店長が異動を繰り返して人が入れ替わっていく中で、いつの間にかそのルールも有耶無耶になってしまい、最後には元に戻って会議中も喫煙OKという環境に戻ってしまった。
「クロロの作ったルールなんて守ってられっか!」
みたいなノリで、あとからやってきた上司がタバコを吸い始めたのである。
まあ、その上司が何を隠そう私に対して超絶パワハラをかましてきたレオル副店長なのであった。
もちろん、それから10年以上が経過してレオルと私の立場は逆転しているのだが、
話を戻すと、10年以上前から私は職場での喫煙に対して大きな嫌悪感を抱いていました。
ほんと、休憩所はともかくとして、応接室や会議室などで煙草を吸っている連中を見た時に情けない気分になりましたね。
「こういうマインドの奴らが、俺よりも上の立場にいる現実が許せない」
と思いながら、当時はいつも仕事してました。