[とんでもないパチンコエリア長の話 前編]社員寮にフィリピン人を連れ込む
もう20年近くも前の話だが、当時はとんでもないパチンコエリア長が存在していた。
今回はその時の話をストーリー形式でお伝えしていく。
20年前のパチンコ業界
今でこそ、専門~大卒でないと新卒で取らないという法人も多くなってきたが、昔は高卒はおろか中卒でも平気で人を雇っていた。
それほどまでに当時のパチンコ店はイメージが悪く、人材が確保できなかった。
その為、建物の2階には社員寮を設け、社員になれば住居が提供されてるだけではなく、食堂には賄いを設けて勤務中は食事も無料で提供されるといったように至れり尽くせりだった。
この待遇は今では考えられない。
どこの誰だかわからない奴がいきなり社員になりたいと言っただけで、翌日から住居と食事が提供された上で働くことができたのである。
安定しない雇用で深刻な人材不足
しかしながら、どこの誰だかわからない奴を社員で雇うことほど危ないことはない。
例えば、借金で夜逃げしてきた夫婦が、社員契約してそのまま2階の寮に寝泊まりすることになったりするわけだが、そこまでの奴じゃなくても数日でバックレたりとか、そういうのは日常茶飯事だった。
さらには、班長クラスになると金を扱う業務も任されるのだが、その瞬間にパクる奴が現れたりなど、とにかく集計中に金がなくなることが多かった。
今では、ほぼそんなことはないのだが、それほどまでに昔は酷い状況だった。
ちなみに、私が入社した時代はそこまで荒んだ時代ではなかったので、前述したのは30年くらい前の話になると思う。
しかしながら、その時代に入社した社員が現在叩き上げとして組織内では、エリア長や部長といった職務についている状態なので、基本的には学がない場合が多い。
となると、経験では勝るものの、新卒で取った有名大学の出来がいい奴には、スペック的に太刀打ちできないというところが現実であり、だからこそ多くの法人で急速な世代交代が進んでいる傾向にある。
やすだから転籍したやり手エリア長
小豆エリア長
私が入社してから、まもなくして台数200~300台程度の田舎のパチ屋に転勤となったのだが、そのホールは小豆エリア長という人物の管轄に置かれたホールであった。
蓑店長
雨夜副店長
そして、店内の幹部は簑店長と雨夜副店長と、その他もろもろの主任で組織されており、私は当時班長だった。
余談だが、小豆エリア長は元やすだの社員であり、そこから再就職したのかヘッドハンティングされたのかはわからないが、とにかく営業においては一級品だった。
しかし、その一方で問題だらけの人物であり、様々な悪事を働いて最終的には退職へと追い込まれるわけではあるが、今回は全3話に渡ってその経緯を伝えていく。
エリア長の一日
月に数回本社での会議が存在するが、基本的には毎日パチンコを打っていた。
といっても、今思うと養分だったと思うので連日相当な額を負けていたと思われる。
そして、昼過ぎになるとフィリピン人や韓国人といった外人と遊んでいた。
しかも、過去には他の社員が住むパチ屋の2階の寮の奥の部屋に、真っ昼間からフィリピン人を連れ込んだことがあるという話も副店長から聞いたことがあった。
それほど節操のないことをしていたのである。
ちなみに、小豆エリア長は数年前に離婚していた。
エリア長も交えた飲み会で、酒を酌み交わしたことがあるのだが、ある日家に帰ると
「あなたにはついて行けません」
という手紙が、食卓の上に置いてあって、家具やその他の生活用品が2LDKのマンションからそっくりそのままなくなっていたということがあったらしい。
そんなことを笑いながら話していいた。
そのように、小豆エリア長は人間的に問題のある人物なわけだが、そんなある日、小豆エリア長が飲み屋で喧嘩してしまい、警察にしょっぴかれるという事件が発生した。
もちろん、こんなことが会社にバレたら降格~懲戒解雇の可能性もある。
「どうにかしないと・・」
簑店長が動き出した。