小遣い15,000円の既婚スロッターの切ない物語【前編】
既婚者がスロットで勝負するのって通常の人の何倍もプレッシャーを要します。
一言でいうと常に崖っぷちなんです。
自分がスロットを始めたのはもう13年くらい前ですが、その時は既に結婚しており小遣いが月15,000円しかありませんでした。
当時の機種といえば「ドンちゃん2」「大花火」「ナイツ」「獣王」「オオガメラ」などで、今と大きく違う点は全て20円スロットしかなかったというところでしょう。
職業柄、どうしても勝っている人を目の当たりにするので仕事帰りや休日にスロットを打ちたくなるのですがお金がない。
若くして結婚した自分にとってスロットとは夢のまた夢の娯楽でした。また、周囲の同僚は仕事帰りに気軽にスロットを打ちに行っており、それが羨ましくてすごく自分を惨めに感じたものです。
もちろん、15,000円の小遣いで勝負してもいいのですが、そんな額は1時間も持たない場合がほとんどであり、その一瞬で月のお金を全部使ってしまうことになります。ですので、それは流石にできませんでしたね。
本屋に行って本を一冊買うのにも長時間悩んだのを今でも覚えています。
独身であればスロットで3万とか負けても、来月になればまた20~30万入るしって感覚だと思うのですが、自分の場合は月15,000円ですからそこが大きな違いだったのです。
そのような状況下でもどうにかしてスロットを楽しみたい。
どうにか勝つことはできないのか?
ということを常に考えていました。
そして、当時の自分はスロットの知識や目押しの技術も低かったのですが、高設定台に座れば勝てるという固定観念を持っていました。
では、高設定台がほぼ確実にある店に行けば良いと考えていたのですが、そこで浮かび上がったのがグランドオープン狙いでした。
そのタイミングで近隣のパチンコ店がリニューアルオープンすると職場内で噂になっていたので、知り合いからチケットを譲って貰うことができて、18時オープンに行ってきました。
そこで自分が打ったのは山佐の「サイバードラゴン」。これはいつも働いているときに客が打っているのを見て「すごく面白そう。自分も打ってみたい」と思っていた台でした。
しかし、軍資金が7,000円しかなかったのです。
今思えば、7,000円ぽっきりでAT機を打つこと自体が間違っているのですが当時はそれがわかりませんでした。
「リニューアルなので出るのだろう」としか思っていませんでした。
案の定、瞬殺で負けて無一文になりました。
7,000円でAT機だなんて例え設定6だったとしても勝つのは難しいでしょう(苦笑)。
それから数ヶ月、スロットを打つことができなかったのですが今度は隣町のパチンコ店のグランドオープンの整理券を手に入れることができました。
「よし!このグランドオープンで勝って軍資金を確保して増やしていく」と当時は思い描きましたね。
仕事終了後すぐに直帰してにパチンコに向かいグランドオープンで取った台はまたもサイバードラゴンでした。
当時は“グランドオープンだから絶対出る”としか思ってなかったですね~。
その時の軍資金は15,000円。
それで勝負を掛けましたがタイガーミッションに一回入っただけで瞬殺しました。
お金がなくなって肩を落として帰るわけですが、他の台は物凄く出ていました。
獣王、コンチⅣ、サラリーマン金太郎、大花火などホント出玉はハンパなかったです。
たぶんあの日で600万くらい赤字で玉出ししてたんじゃないかって思います。
あの時の惨めな気持ちは今でも忘れません。
そこからしばらくスロットが打てなくなり、また数ヵ月後に今度は近隣にマルハンがグランドオープンするという情報が入ってきました。自分は遅番前に数時間並んで整理券を確保することができました。
ちなみにその整理券は入場順ではなく台番指定となっており、そこで自分が選んだのはアラジンAでした。
いや~~~~~。
こうして思い出してみるとすごく切ないというか、苦労していたんだって思います(^^;
何というか当時の台って天井機能もあまり大したものじゃなかったし、勝ちに行くとしても難しいなって思います。
今では常勝ですが、知識も軍資金もなくてこのように苦労した時代もありましたね。