パチスロライターが業界を救う!本音と裏話 第1話
長らく業界で働いているとパチスロライターと会話をする機会が度々ある。
その代表格が一昔前といえばガル憎やアニかつだったわけであるが、現在は何らかのメディアさえ持っていれば誰でもパチスロライターを名乗れる時代だ。
そのメディアというのは別にパチスロ必勝ガイドやパチスロ必勝マガジンといった雑誌媒体でなくとも、人気ブログであったり、You Tubeであったり、ツイッターであったりとそういったWEB媒体で自分の名を世に知らしめてライターを名乗ることは可能なのである。
そのような状況と現在のニーズが合致し、世の中に無数のパチスロライターが溢れ出しているのが現在なのである。
つまりはホール側も早い話、誰でもいいのである。
とりあえず、何もないよりも「●●ライター来店」といったポスターを店内に設置できればそれで良い。
さらには、そのライターに「●●の機種が好きです」といったようにイベント機種を示唆してもらえればそれが+αの集客となりうるのだ。
そこで今回は私の知人である、一人のパチスロライターについてのその不遇な人生について語ろうと思う。
まあ、先月飲んだ時に聞いた情報をストーリー仕立てで書いていこうと思います。
駆け出しパチスロライター ゴレイヌ
ゴレイヌは不遇な男だった。
いや、何が不遇なのかはよく分からないが常にいつも困り顔をキープしているからそのように見えた。
つまり、不遇な男というのは私の勝手な想像である。
そして、彼には夢があった。
まあ夢というほどでもないことだが、パチスロライターとして食っていくことが彼の夢であったのだ。
しかし、彼がそんな夢を語ると周囲の専業からは以下のようなことを言われた。
「パチスロライターになる意味なんてあるの?別に専業でよくね?
新基準機に移り変わっているとはいえ、まだまだ年間500万は稼げるぜ。
それに対してパチスロライターは仕事もなかなか入らないだろうし、それで稼ごうとする期待値はないと思う」
「ライターというかライティングするんであればブログ開設しろって!
なけなしの原稿料なんて専業の日当にもならんだろ。
ブログ開設してアクセス伸びればそれだけで月数十万入ってくるぜ~。
お前も29collegeブログ制作・アクセスアップ塾に入会してブログ始めろって」
しかし、彼は専業にもブロガーにもなろうとしなかった。
その理由は、彼は養分だったからだ。
ゴレイヌはAタイプ打ち専門であり、天井狙いという立ち回りは一切しなかった。
そして彼は京都の京坂線沿いのアパートに住んでいたのだが、打ちに行くホールといえば「京一本店」一択だった。
むろん、京一といえばあまり口コミはよろしくないホールではあるが、この店の雰囲気が好きだったし、その中でも女性スタッフのピンクのシャツが堪らなく彼の好みだったのだ。
それだけに、深夜に個室DVD店でアルバイトで働いて貯めたバイト代を、明け方に開店から京一に打ちに行って溶かしてしまうといった生活をもう12年も続けていた。
(別に京一が出ない店だとは言っておりません。ゴレイヌの立ち回りが下手なのです)
さて、そのようにゴレイヌはいわゆる養分なわけなのだが、パチスロに関しての何かしらの取り柄はないのだろうか?
その為にも分かりやすく下記で説明しようと思う。
ゴレイヌのスペック
名前:ゴレイヌ
年齢:34歳
職業:フリーター
趣味:パチスロ
好きな機種:ジャグラーシリーズ全般、サンダーV
将来の夢:パチスロライターで生計を立てる
好きな芸能人:大島優子
目押しスキル:★★★★☆
設定推測スキル:★★★☆☆
Aタイプの知識:★★★★★
マインド:★☆☆☆☆
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まあ、彼のスペックは以上のような感じだ。
その中でも知識が豊富な一方でマインドが低いという点からは、彼は典型的な養分であるということが分かる。
これはよくあるパターンだが、勝つ為に必須な条件とは、間違いなくマインドだ。
とにかく「何がなんでも勝ってやろう」という執念である。
その為に
期待値を積むために何件でも店を回るし
前日に複数店舗下見をするし
場合によっては台の後ろで張り付いたり、休憩所で待機したりするのである。
しかし、彼にはその執念がないのでたまに勝つことはあっても、年間で勝つことは一度もなかった。
そりゃそうだ。全て運に任せているのだから。
実はパチスロ好きほどこういった傾向は強い。
パチスロが好きで好きで溜まらない為に、打たないで店を変えるということができないのだ。
皆さんの回りにもパチスロの知識は異常に詳しいのに、それが全く立ち回りに活かされていないといった人はいないだろうか?
例えば“なんちゃって設定狙い”の人達とか。
バジ絆で弱チェ確率が異常にいいから「これ設定6じゃね!?」みたいな。
繰り返しとなるがパチスロを愛している人ほど養分が多いというのが現実である。
それは魚拓氏の未練打ちを見てみればよくわかる。
そして愛しているからこそ勝つための情報以上に無駄な知識をどんどん吸収しようとするのである。
しかし、実はこういった人こそパチスロライターには向いているのである。
例えばパチスロライターが沖ドキの実戦で32Gでヤメてしまっては番組にならない。
それ以上追うから話が成り立つわけだ。
「引き戻しに入っているかも!?」
といった養分的思考は言い換えるとパチスロを楽しむ本来の姿であり、それを視聴者に伝えて楽しさを知ってもらうのがパチスロライター本来の役目なのである。
転機
しかしある日、彼に転機が訪れた。
知り合いの知り合いとなる、某パチンコ店長からパチスロライターとして実戦取材してくれないかというオファーがあったのだ。
話の流れはこうだ。
知り合いの専業が、とあるパチンコ店の仲の良い店長に知り合いでパチスロライターを目指していてめちゃくちゃジャグラーの知識がある奴がいると話をしたところ、その店長がゴレイヌに興味を持ったのである。
「その話は本当かい!?ありがとう!」
ゴレイヌはその知らせを知り合いの専業に聞いたわけだが、当然のごとく大喜びした。
京坂線沿いの古びたアパートに住むゴレイヌは毎日、アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一⇒アルバイト⇒京一の無限ループ。
先日たまに打った戦コレ2で奇跡的に突入した、夢幻ループはレインボー背景の95%ループが確定していたのにも関わらず最低保証の100G上乗せで終わってしまったのに「アルバイト⇒京一」の無限ループはもう12年も続いているのである。
「俺にもチャンスが訪れたか・・」
数日後、個室DVD店での夜勤が終わるとアパートでシャワーを浴びスーツに着替えて古びたアパートの階段を降りた。
途中、隣人の20代中盤のOLとすれ違った。
巴マミ似の綺麗な女で、自分には一生関わりがないであろう高嶺の花である。
叶わぬ欲望。
しかし、何となくその日は自分に自信を持つことができた。
だから、通常であればうつむきながら無言で通り過ぎたのだが、この日は顔を上げて挨拶した。
「おはようございます」
「おはようございます。気持ちいい朝ですね」
隣人の憧れの女性と初めて言葉を交わした。
笑顔がとても可愛かった。
世界が変わる確かな手応えを感じた。
そう、パチスロライターになって俺の人生は変わるんだ!
その後、京坂線から隣町へと向かった、その知り合いから紹介されたホールとは京都市右京区にある「カイア」というパチンコ店だった。
ゴレイヌは京一のジグマ養分なのでカイアに足を踏み入れるのはもちろん初めて。
何でも京都~兵庫を中心に合計3店舗を展開しているパチンコチェーンらしかった。
「こんにちは。どうぞお掛けになってください」