スロットでモーニングを仕込んでいた時の裏話
久し振りに4号機時代の思い出を書いてみようと思う。
この時代は何と言っても「北斗の拳」「吉宗」のダブルライダーが、パチスロ業界で揺るがぬ人気だった。
当時、総設置台数が280台でうちスロットが80台なんていう小型店で勤務していたのだが、その時の機種構成は以下のような感じだった。
機種名 | 台数 |
---|---|
北斗の拳 | 40 |
吉宗 | 20 |
巨人の星 | 5 |
鬼浜爆走愚連隊 | 5 |
シンドバッドアドベンチャーは榎本加奈子でどうですか | 5 |
魔法のハイビスカス | 5 |
スロットコーナーの設置シェアが北斗&吉宗で実に75%。
そのホールはボックス40台の島であったので、スロットコーナーはわずか2ボックスしかなかったのだが、とにかく北斗と吉宗は盛況だった。
その為、当時の店長は以下のように話していた。
「バラエティの4機種を全部吉宗に入れ替えたい」
当時の私は班長だったのだが、この言葉には驚いたものである。
パチンコ店のスロットコーナーに北斗と吉宗の2機種しかないのは、流石に問題かと思うのだが、そちらの方が間違いなく儲かると話していたのである(結局、吉宗は小型店に回してもらえずその稟議は通らなかったのだが)。
当時よく見られた吉宗のモーニング
吉宗ではゲーム数解除のチャンスゾーン中に、ふすまが閉まって「高確率ゾーン」に突入するという演出が存在するのだが、閉店後にスタッフが吉宗全台を回して、翌日の朝一に全台「高確率ゾーン」で開店するというホールが度々見られた。
それっていうのは、モーニングのようなもので朝一の集客を狙ったものである。
このモーニングを仕込むという作業は閉店作業中にスタッフが実施し、終わらなければ社員が残業してやるというものだったのだが、まあ他の清掃業務や翌日の開店準備業務などをやるよりかはスロットが打てるので誰もがやりたがる作業であった。
今でも憶えているのが、当時私は班長で、同僚で元ヤンの班長がいたのだが、その元ヤンの班長は閉店作業においては集計(1日の売上を算出して入金する業務)とかそういった楽な業務を率先してやっており、私には他の開店準備系など骨の折れる作業を回していたのである。
しかし、吉宗で高確率ゾーンを仕込む日に関しては、なぜか私に集計の作業を回してきたのだ。
「あれ?いつもだったら集計は自分でやるのにどうしたんだろ?」
で、その後その元ヤン班長は高確率ゾーンを作る為に吉宗を回していたので「そういうことね・・」と思ったわけだ。
話はややズレるが、その班長は常に自分が楽な作業をやるように作業を分担していた。
その為、通常時は集計、モーニングを仕込む日はそちらの作業といったように、好き勝手やっていたのである。
そして、そういう奴に限って処世術が抜群に上手く、社内ではみるみるうちに出世していき店長となった。
つまり、上司に自らをアピールすることに全力を注ぎ、それ以外の面では手を抜いていたのである。
まあ、今思い出しても賢いやつだったと思う。
ただ、そいつはそれから数年後にコヒレとの浮気がバレて、家庭内で離婚騒動となった時に、うつ病となり休職~退職となってしまったのだが、元ヤンに見えても意外に精神面は弱かったのだと思われる。
ちなみに、吉宗に関しては私が主任に昇進したあたりで打ち込み機が登場し、この機械を基盤のハーネスにかませることによって、高速で回すことができた。
まあ、回すとはいっても実際にリールは回ることはなく、液晶演出だけ発生していく感じである。
で、その時に高確率ゾーンに突入した瞬間に打ち込み機を止めることによって、実際に打つ手間が省けるというわけである。
また、それ以外にもリセット後に現在のゲーム数解除数をセグで調べることができた。
その為、吉宗の天井は1921Gだったのだが、天井付近の数字が表示されるまで繰り返しリセットを掛けるという作業も行っていたのである。
▽4号機「吉宗」のRTゲーム数振り分けテーブル
引用:パチスロ攻略!
ちなみに、吉宗ではリセット後にモードが選択され、その後ボーナス解除ゲーム数を決定といったような流れで抽選が行われる仕組みとなっている。
当時はここのゲーム数解除にあるように
1538~1665Gのゾーンか1794~1921Gのゾーンが選択されるまで、リセットを繰り返していた。
この作業をやることは週末かノルマのヤバい月末にやることが多かったのだが、それにしても面倒くさい作業だった。
当時よく見られた北斗のモーニング
続いて、北斗の拳に関してもモーニングを仕込むホールは多かった。
内容としては朝一から中段チェリーやスイカが出目で存在しているというものである。
北斗シリーズでは中段チェリーの出現で、モードに関わらず25%以上でAT当選となるので、朝一から中段チェリーというだけでかなりの期待値があるというわけだ。
で、これに関しては北斗40台を全て仕込むのは流石にキツイので、ボックスの中の片側の列だけモーニングを仕込むといったようなことをするわけである。
つまり、40台のボックスであれば、片側の列で20台。
その20台をスタッフで仕込むわけだ。
当然、閉店後作業だけでは終わらずに社員4人くらいで残業して回すことになるのだが、20台すべてを中段チェリーにするのではなく、半分くらいはスイカという感じだった。
しかし、北斗に関してはスイカはそれほどアツくはない。
良くてモードアップであり、スイカからのAT直撃はかなり低かった。
その為、翌日の営業においては朝一には中段チェリーの台から埋まっていくのだが、実のところ中段チェリーの台の設定は全部ピンであり、高設定はスイカの台かレア役の出目がない台に隠されていた。
まあ、これに関しては当然であろう。
「モーニング+高設定」という状態では開店から出っぱなしになる可能性がある。
だからこそモーニングを仕込んだ台はピンにすることがほとんどなのである。
ちなみに、現在においてはバジリスク絆においても高設定台は高確チェックや高確落としを徹底している。
もちろん、高設定入れているんで沢山出してもらって構わないのだが、朝一の吸い込むがまったくない状態で開店から閉店まで右肩上がりという展開にはなってほしくないのである。