気に入らないパチプロへの設定告知での嫌がらせ
10年以上前の話で、客で恐ろしくムカつく奴が存在したのだが、そいつは20代前半くらいの専業だった。
何がムカつくって、一言でいうと店員の揚げ足を取ってクレームをまくし立てるようなタイプの人間だった。
「客の立場であれば何をやっても構わねえ」
そんな精神が奴からは垣間見れていた。
当時の私は「器がちっちぇえ奴だなあ」と思いながら見ていたのだが、とにかく癇に障る(かんにさわる)発言を連発してくる奴だったので、私自身もストレスを感じていた。
一例では、当時私の同僚だった主任が、巨人の星で演出が成功したのにボーナス確定しないといった訳の分からないクレームを一時間以上も延々と受けたのである。
そのようなこともあり、そいつは社員はおろかアルバイトなどを含む全スタッフから嫌われていたのであった。
サプライズイベント
そして当時は、パチスロ4号機時代でありスロットの人気機種といったら何と言っても「吉宗」だった。
さらには、所轄の規制も甘かったので、営業中に設定6確定の札を台に挿すなどといったイベントも可能だったのである。
▽設定6確定札。当時はこのような物を営業中に台に挿して設定告知しているホールが非常に多かった
そして、ある日「サプライズイベント」という激アツイベントを開催したのだが、その内容とは以下の通りだった。
その日は7月7日だったのだが、吉宗コーナーに設定6の7台並びを入れることにしたのである。
その時に設置したポスターが上記のようなものだったのだが、ビックリマーク(!)が7個並んでいるのを見れば分かるとおり、それによって7台並びの6が存在することを客に想像させていたのである。
そして、イベント当日となると吉宗コーナーの設定6に、そのイラつく客が着席しやがったのである。
流石は勘のいい奴であり、ホールのクセを読んでいやがる。
ただ、その客の打っている吉宗の設定6は一進一退の展開となっており、夕方時点でも-1000枚という推移となっていた。
そして、夜の7時に設定6確定台を告知するのだが、奴の打っている台に札を挿してしまうと粘られる可能性があるので、以下のように札を挿したのである。
これで奴は設定6が取れなかったことに意気消沈し、その後帰宅の途に着くこととなった。
(ちなみに、角台の1に関してはそこまで凹んでなかったので6確定札を挿しても問題なかった)
この札が挿された後の奴の困った顔は見ものであり、連れを呼んで10分ほど迷った挙句やめて帰ったのだが、この一連の動作を事務所のモニターを見ながら社員数人で笑いこけていたのは今では懐かしい思い出である。
それから2年後・・
実はこの話には続きがあった。
それから間もなくしてその客を見かけなくなったのだが、約2年後にその客とマイホで再会したのである。
しかも、私が客でそいつは店員という立場だった。
おそらく専業から足を洗ってパチ屋に就職したのであろう。
そのマイホは全部で10店舗ほどあるグループ店だったので、他の店舗からの異動で私のマイホに来たとのことだった。
そして、当然だが私が客で奴が店員だったので、私には敬語で話をしていた。
以前、客の立場でいた時はあんなに威張り腐った言動であったのに、立場が逆転すればこの始末である。
ただ、私はそこで客の立場だからといって奴に威張り腐るようなことはしなかった。
奴は私よりも年下だったわけだが「仕事頑張ってくださいね」といった感じで敬語を使い、休日にはそのホールで毎回ハイエナしていたのだが、特に客の立場で悪態づくことはしなかった。
これは私自身が接客業の経験をしているからこそ感じることだが、客の立場を利用して店員に威張り腐ることほどみっともないことはないだろう。
例えば、デート中にファミレスのオーダーなどで店員に威張り腐っている男がいたら、そいつは間違いなく女に嫌われる。
やはり、立場に関係なく相手を思いやる気持ちがその人間の器を大きくするものだと思うし、印象の良い客になることができれば質の高いサービスを受けることが可能であり、設定6確定台の告知で嫌がらせを受けることなどないのである。
そういえば、当時めちゃくちゃ美人で可愛い彼女を連れて吉宗を打っていた硬派系でヤンキー風の男がいたのだが、その客は全スタッフの女性店員からも好かれていた。
というのも、見た目は若干いかついのだがさっぱりとした性格で、店員に挨拶したりジェットカウンターなどでおしぼりを受け取った際にも「ありがとう」といった言葉を男女の店員問わず自然と行っていたのである。
やはり、器の大きい男に女は惹かれるのである(若干羨ましかったが・・)。