パチ屋のアルバイト店員の彼氏にボコられそうになった話
もう10年以上前の話だが、地元で飲んでいた時にとあるトラブルに巻き込まれたということがあった。
昔のアルバイトとの再開
新潟のとあるホールで勤務していた時に、久しぶりに大学生時代の友達5人と新潟に集まって居酒屋で飲んだということがあった。
そこで、どんなことを話していたのかは全く憶えてない。
おそらく他愛のない話なんだろうが、飲み始めてからしばらくしてある女に声を掛けられた。
「クロロ主任、お久しぶりです~♪」
その女とは2年前に同じ店舗で働いていた明日香だった。
風の噂では、勤務中に知り合った客と付き合ってしまいそれがバレて解雇になったと聞いていた。
奥の席には明日香の彼氏らしき男が座っており、その男が客だったのだろう。
これはどこのパチ屋でも共通事項なのだが
客と付き合ったらクビなのである。
というのも、パチ屋は賭博場という兼ね合いのある商売なので、店の情報が客にバレると営業に関わってくる。
それだけに客を始めとする同業他社と付き合うことが禁止されているのである。
(実際に、私自身もライバル店のマルハンの美人事務員から交際を何度か申し込まれたのだが、丁重にお断りしている)
ちなみに、奥の席にいたもう一人の見覚えのある女からも声を掛けられたのだが
「クロロ主任、元気ですか~?」
その女とは、明日香と同様に2年前に同じ店舗で働いていた煌羅(キララ)だった。
この明日香と煌羅は仲が良かったので、辞めたあともこうして会っていたのだった。
ちなみに明日香は20代中盤で、煌羅は10代後半である。
奥の席には男が2人いたので、合コンというノリでの飲み会であったと思われる。
そして、その2人の男とはどちらもガテン系のあんちゃんだった。
系統としてはエグザイルにいそうな感じだ。
いかにも肉食系といった感じであり、女にモテそうなタイプではある。
その後、明日香から彼氏を紹介された。
「私の彼氏もクロロ主任の店によく遊びに来てたんですよ♪」
それを聞いた私は明日香と彼氏に言葉を発する。
「ああ・・そうだったんだ。どうもありがとうございます」
その後、若干無口な彼氏に対して、私が声を掛ける
「どんなスロット台がお好きなのですか?」
即返答がなかったので、明日香が代わりに答える。
「彼氏はそこまでスロットを打たないんですよ(笑)」
なるほど、たしかにそこまでスロットが好きそうには見えない。
打ちに行くとしたら沖ドキやハナハナなどシンプルな台を打ちそうなタイプの人だ。
少なくとも、エウレカセブンAOやGⅠ優駿倶楽部といった、ゲーム性にこだわりのある複雑なものは打たないタイプの人間に見える。
ただ、明日香の「彼氏はそこまでスロットを打たない」という発言に対して疑問に思ったことをそのまま投げかけた。
「えっ!?じゃあ、何しに来てたんですか?」
この言葉に対しても、苦笑いする程度の反応しかなかったので、そこでの会話はここで終了となり、私は友達との飲み会の席に戻った。
駐車場で絡まれる
その後、2時間ほど飲んで駐車場の車に戻ろうとしたところを明日香の彼氏に絡まれたのである。
ちなみに、シチュエーションとしては、友達4人はすでに駐車場の車で私を待っていて、トイレに入っていた私は遅れてそこに向かっている途中だった。
「お前ちょっと待てよ!さっきの発言は許せねえよ!」
呼び止められた私は一瞬にして悟った。
「何しに来てたんですか?」
という言葉に対して頭にきていたということを。
「客に対して“何しに来ていた”はねえだろうよ!ほんと頭くるなあ」
男は私の衣服を掴み絡んできた。
酒の酔いとイライラが複合している状態であり、これはヤバいと思った。
見た目が血気盛んな肉食系なので、今にもボコられそうな勢いであり、そういったことも繰り返しほのめかしていたのだ。
私はなんとか誤解を解いて怒りを沈めようと試みた。
「すみません。どんな台を打っていたのか、スロットの話をしたかったのですが、怒らせるつもりはなかったのです」
「スロットの話だと?俺はそんな話したくねえんだよ!」
以上のように、彼氏から絡まれている状況の中で、苦笑いした明日香が割るような形で声を掛ける。
「クロロ主任、すみません。相手しなくていいですから、帰っちゃっていいですよ(汗)」
さらに、そこからやや離れた場所にいた煌羅とその彼氏も、明日香の彼氏をなだめようとしていた。
以上のような状態であったのだが、適当なところで明日香の彼氏を振り切って、そのまま友達の待つ車へと向かい帰宅の途についた。
アドリブが効かない店長
今回の件に関しては、私自身の苦い思い出である。
明日香の彼氏には申し訳ないことをした。
そりゃ怒るだろう、そんなこと言われれば。
当然、怒らせたり嫌味を言うというつもりは微塵もなかったのだが、ちょっとした失言が他人の怒りを買ってしまうという、よい例である。
考えてみると、こういった失言って普段から多いんだろうなって思う。
特に会社内においての、他人の一言についてイラッとすることがあるのと同時に、自分の発言においても他人をイラつかせることはあるのだと思う。
特に私のように文章において天才的なセンスを発揮させるようなタイプの人間は、それに反して喋りが下手だったりするので、それは大いにありうるだろう。
まあ、もういい加減この年齢(40代半ば)であるので、いまさら直そうという気もないし直るものでもないので、どうでもいいことだと思っている。
ましてや今現在、接客業に携わっているわけではないし、会社内で人に気に入られようとは微塵も思ってないわけだし。
以上のように、基本的にはどうでもいいことなのだが、今回は「パチ屋のアルバイト店員の彼氏にボコられそうになった苦い思い出」ってことでネタにしてみた。