パチ屋であまりにも好みの客がいてナンパしようとした話
例えば、勤務中に好みの女性客がいたとしても、プライベートで付き合いたいと思って声を掛けようと真剣に悩んだ時は過去に1度だけあったのだが、プライベートにおいてスロを打っている時にも1度だけそういったことがあった。
その時は4号機時代だった。
当時の私は、新婚の身にも関わらず、週に3~4日ほどパチ屋に入り浸っていたのだが、マイホで見かける気になる女がいた。
当時の女性客といえば、ババアかヤンキー女子かお水系だった。
もちろん、ヤンキーであったりお水系も大好きなんだけど、その女は一風変わっていたのである。
というのも、パチ屋ではリオレイア希少種並に珍しい、カジュアル系の女だった。
例で言うとminiの雑誌に登場するような一般女性だった。
まあ、今のアミューズメント化している業界ならこういう女性客も多いかもしれないが、当時としてはこういうタイプの女はかなり少なかった。
っていうのも当時は「パチンコ=チンピラ」といったような柄の悪いイメージが強かったので、アパレル系で見られるようなタイプの女は皆無だったのである。
そして、その女は平日の15~18時の時間帯にやってきて、不二子2を1~2時間ほど打つと帰っていった。
いや、不二子2以外にも打ってたと思うのだが、やけに不二子2を打っていたというイメージが焼き付いているのだ。
私がその女をマイホで見かけるのは、週に1度あるかないかというレベルだったのだが、普通に好みだった為に、徐々に気になるようになってきた。
身長は平均的な高さで、髪型はセミロング。
肌の色は白で、胸のサイズは推定Cカップ。
銘柄は不明だがタバコを吸っていた。
当時の私はマイホに知り合いがいなかったので、その女と友達になりたいと思った。
いや、それは口実というか、普通に可愛かったので友達になりたかった。
しかし、そういった時に確認せねばならないことが一つだけある。
それは“その女に男の連れがいないか” ということである。
普通に考えて、ヤンキーでもお水系でもない、一般的な可愛い女が一人でパチ屋に来るわけがない。
これはどう考えても男と一緒に来ていると判断することが妥当であろう。
まずは、声を掛けるのであれば、男の存在有無を確認する必要がある。
ちなみに、その女に彼氏が存在するのかといった意味ではなく、男と一緒にパチ屋に来ているかどうかということがポイントとなる。
彼氏の存在に関しては、どうでもいい話であるのだが、男と一緒に来ていた時点で、声を掛けるのはトラブルとなるのでやめておいた方がよいということなのである。
その為、私はマイホで女を見かける度に、その女の周辺をさり気なくチェックした。
結果、どうやら一人で来ているらしい。
これは奇跡である。
mini系の一般女性が、一人でパチ屋に来店して不二子2を打っているなんて、どう考えてもありえない。
そのチェックを終えると、次に「どう声を掛けるべきか」というストーリーをシミュレーションしてみた。
やはり、声を掛けるにはシチュエーションが大事である。
ここはスマートに決めたい。
私は数日間悩んだ末、家内との夜の営みの最中にグッドアイデアが閃いたのである。
それは、以下のようなストーリーだった。
ストーリー
スロットコーナーで女を見かける
さり気なく隣に座る
「オシャレな靴履いていますね。それ、GRAVISじゃないですか?」
と声を掛ける。
そう。
その女は当時としては珍しいGRAVISのスニーカーを履いていたのである!
このブランドに関しては、当時はあまり知られていなかったのだが、一足2~3万もするような高額なものであり、一部のファッション誌を好む女の中では人気のアイテムだった。
ちなみに、ファッションに疎い私がなぜGRAVISを知っていたのかというと、当時の家内がGRAVISを履いていたからである。
このストーリーは間違いなく完璧といえるだろう。
女は身に付けているアイテムを褒められると喜ぶものだ。
しかも、それが多くの一般男性からは理解されないGRAVISとなると、余計に喜ぶことだろう。
女性に声を掛けるという行為は、大学1年生の夏に女っ気のない友人と計4人で伊豆の海に旅行に行ったとき以来だった。
その時は、昼のビーチでどもりながら声を掛け、見事に撃沈されたわけだが・・。
しかし、そのような苦い経験を乗り越え、次に見掛けた時に声を掛けようと思った。
こんな理想的な女を、今後パチ屋で見掛ける可能性は限りなく低い。
失敗してもリスクはないじゃないか!
「やった後で後悔するほうが、やらないで後悔するよりも、はるかにマシである」
という、ルネサンス期の思想家マキャベリの名言を心に秘め、
次にマイホで見掛けた際には、声を掛ける気満々だった。
そして、その後もマイホに通い続けたのだが・・
それから女を見掛けることはなかった・・。
あれから15年が経過しましたが、それ以来ホールで「いいな」って思える女性は見てません。