低パチ低スロ専門店にバブル到来!!30%規制の影響で稼働が上昇している件
「コラっ!ゴトー!!」
「なっ!?いきなりどうされましたクロロエリア長!?」
クロロエリア長はゴトー店長の所属する「ククルーマウンテン八王子店」の事務所に入るや否や、強い口調でゴトーを呼びつけた。
「どうもこうもあるか!
お前、今日の本社の営業会議で来季から昇給することになったぞ!」
「なんですと!?」
低パチ低スロ専門店にバブル到来!
今回ゴトーが昇給した理由についてを説明しよう。
早い話が、現在ゴトーが店長として所属している「ククルーマウンテン八王子店」に関しては、1パチ/5スロ/10スロからなる低パチ低スロ専門店であるわけなのだが、その稼働が前年比の10%も上昇する結果となったので、ゴトーは昇給したというわけなのである。
ちなみにゴトーは、以前は川崎市内にある「グリードアイランド2号店」で店長をやっていたのだが、そこで北斗無双の立ち上げに失敗してしまい、そればかりかプロに食われまくって利益を垂れ流してしまうという失態を犯してしまった為に、低パチ低スロ専門店である「ククルーマウンテン八王子店」に飛ばされたというわけなのである。
なお、ゴトーがどのような作戦で北斗無双を強化しようとしたのかは以下の記事をご覧あれ。
「やるじゃないか!ゴトー!」
クロロエリア長は部下のゴトー店長を褒め称えた。
やはり、自分の部下が昇給するのは嬉しいものである。
ぶっちゃけグリードアイランド2号店が北斗無双の立ち上げに失敗したのは、上司であるクロロエリア長の責任でもあったので、左遷先の低パチ低スロ専門店でゴトーが高評価を受けたことに関しては、まるで自分のミスがうやむやになったかのように胸を撫で下ろした思いだった。
「今の時代に前年比10%超えのアウトと粗利はすごい。
来季から昇給と、店員の9割がギャルで構成されているスロ専に異動になることが、今日の会議の話であったよ。
良かったなゴトー」
「誠ありがたきことでござりまする」
以上のような形で、終始和やかなムードとなった。
それにしても、ゴトーの運営する低パチ低スロ専門店はなぜに営業数値が向上したのであろうか?
実は、それは2017年12月のスロット旧基準機の設置比率30%規制に原因があったのである。
30%規制でないがしろにされた低スロユーザー
パチンコ業界では2017年12月のスロット旧基準機の設置比率30%規制により、店内におけるスロット設置台数の30%以内でしか旧基準機を設置できなくなってしまったわけだが、その結果何が起こったのかというと“20スロに旧基準機を寄せて低スロはオール新基準機orジャグラー”という事態となったというわけである。
つまり、今まで低スロでバジ絆や旧まどマギを楽しんでいた低スロユーザーが、2017年12月以降から旧基準機を楽しむことができなくなってしまったというわけである。
もちろん、ホール側からすると20スロが営業の生命線となるので、そちらに旧基準機を1台でも多く置きたい気持ちがある。
当然、バジ絆や旧まどマギやゴッド系といった人気機種は5スロで動かすよりも、20スロで動かした方が4倍儲かるわけだし、競合店以上に20スロの機種を充実させたいという気持ちもあるので、それは自然なことというか営業の鉄則である。
その上で、各法人においては限られた旧基準機の設置台数の中で知恵を絞り色を付けようとする。
例えば
「バジリスク絆地域最大」 とか
「旧まどマギ地域最大」 とか
「沖ドキ地域最大」 とか
とかそんな感じである。
余談だが、私の管轄するホールでは競合店がまどマギを推していたので、2017年12月のタイミングで「旧まどマギ」を残してそれ以外の旧基準機を外してくるというのは予測していた。
そして、私のホールは地域一番店であったので、地域一番店の戦い方としては、自らの店舗の強みを伸ばすというよりも競合店の強みを打ち消すという営業が求められる。
その為に、私のホールにおいても競合店以上の旧まどマギの台数は残しておこうと2017年12月のタイミングで考えたわけである。
結果として、スロットの総設置台数でも競合店を上回る自店においては、競合店以上の旧まどマギを揃えることに成功し「旧まどマギ地域最大」を謳わせないことに成功した。
しかし、それから数週間後に
まどマギ2を増台して「旧まどマギ&まどマギ2で地域最大」を謳ってきやがったのである。
そこで、私はすぐさま稟議書を作成して中古機や店舗間移動でまどマギ2を集めて、それから数週間後には「旧まどマギ&まどマギ2」においても競合店を上回ることに成功した。
すると、どうだろうか。
それから数週間後には・・
パチンコまどマギを増台して「旧まどマギ&まどマギ2&パチンコまどマギで地域最大」を謳ってきやがったのである。
この後に及んでパチンコまどマギを増台!?
といったように、競合店が完全に迷走したという話です(^^;
ちなみに、競合店はまどマギをそこそこ出してたんだけど、うちのホールに台数で劣っていたということもあり、立ち上げには失敗してましたね。
プロに食われて終了でした。
話がズレたので戻す。
結論としては、2017月12月以降の全国のパチンコ店における低スロのラインナップがほぼすべて新基準機とジャグラーオンリーになってしまったので、低スロユーザーは低スロ専門店に流れたという話である。
つまり、低スロのラインナップが悪い原因は、旧基準機のすべてを20スロに集中させるという営業が問題になっているからであり、それが低スロ専門店ともなれば20スロ自体が存在しないので、低スロに設置されている旧基準機を20スロに移動させられてしまうということ自体が起こらないというわけなのである。
例えば以下の機種ラインナップを見てほしい。
20スロ&5スロ併設店
5スロオンリーの低パチ低スロ専門店
20スロ&低スロのホールと、低スロオンリーのホールを見比べてみた時に、旧基準機の設置比率の差は一目瞭然。
このラインナップの差であれば、低スロユーザーは低パチ低スロ専門店に行くことは明らかであろう。
以上のような背景があったので、ゴトーの所属する「ククルーマウンテン八王子店」の稼働が上昇したのは、当然のことではあった。
ただし「運も実力の内」というように、時代背景に乗じて出した結果であっても会社から評価を受けることが往々にしてあるのがパチンコ業界だ。
同時に、ダイナムのように低パチ低スロ専門店を多く展開している法人においては、現在の30%規制や2019年1月31日の15%規制においては経営の追い風となるだろう。
数年前からのダイナムの営業形態は現在の業界の流れをよく予測して動いていたというのがわかる。