ロストアイランド2(パチスロビッグドリーム)でゴト発生!【中編】
前回の記事の続きです。
目撃者
ズシが出勤中の時間帯にボノレノフは毎回来店し、ズシが近くを通りかかったタイミングでボノレノフが呼び出しランプを押すと、たちまちズシが駆けつけ、セレクタートラブルを装い台電を落としハーネスを抜き差しするという凶行(ゴト行為)が約二週間繰り返されることとなった。
パチスロビッグドリームにおいてはメイン基盤のハーネスを抜き差しすると初期出荷状態に戻るので、天国モードからのスタートとなるのだが、ボノレノフはその抜き差しをズシにやらせることによって、天国モードのみを消化していた。
もちろんカモフラージュの為に、来店して2000~3000円分平打ちしてからズシを呼ぶわけであるが、それでも天国モードの期待値は17000円以上と大きかった為に、1回あたりの約40分の遊技で平均15000円の収支となり、その額は累積で40万にまで到達した。
(ちなみにセレクタトラブルを装う為に、1日1回と決めていた)
そして、この凶行が行われてから15日目のことだった。
ボノレノフがズシが近くの島を通り掛かったタイミングで呼び出しボタンを押すと、たまたま近くを通りかかったネオンがズシよりも早くランプに気づき、ボノレノフの台に到着したのだ。
ネオン「お待たせしました。どうなされましたか?」
ボノレノフ「・・・・・あ・う・・。あっ・・えっとね」
ネオン「・・・・・」
ボノレノフ「さっき、投入口にコインが詰まっていたんだけど。たった今落ちたから大丈夫みたい(苦笑)」
ネオン「そうですか。かしこまりました」
ネオンはボノレノフの挙動不審な受け答えに若干違和感を覚えるも、その時には特に何も気にしなかった。
しかし、それから5分後にボノレノフが呼び出しボタンを押すと、そこに駆けつけたズシのある行為が偶然視界に入った。
ネオン「あれっ?ズシ先輩、何でメイン基板のハーネス抜き差ししてるんだろ・・」
それから1時間後にズシとネオンは一緒に休憩に入ったのだがズシはネオンに以下のような質問を発した。
ネオン「ズシ先輩。さっき、ビッグドリームでメイン基盤のハーネスを抜き差ししてましたよね?あれって一体何やってたんですか?」
ズシ「えっ!?」
ズシは自身の行動が後輩社員のネオンに見られているとは予測していなかったので、一瞬ドキッとした。
しかし、その後冷静に言葉を返した。
ズシ「ああ、あれはセレクターエラーを対応していたんだよ」
ネオン「セレクターエラーなのにメイン基板のハーネスを抜き差しするんですか?」
ズシ「うん。実はタイヨーエレックの筐体はセレクターとメイン基板が密接に関係していて、セレクターエラー対応時にメイン基板のハーネスを抜き差しすると、その後セレクタートラブルが発生しにくくなるんだよ」
ネオン「へえーーー。そうなんですか!ズシ先輩は流石詳しいですね~!」
ズシ「ま・まあね(苦笑)」
以上のような形で、ズシはネオンの質問を上手く切り抜けたのだった。
しかし、その後とんでもないことが起こってしまった!
タイヨーエレックの筐体においてはセレクタートラブルが本当に多かったので、そのトラブルに対応する度にネオンはメイン基板のハーネスを抜き差ししてしまったのだ。
つまりは
セレクタトラブル⇒ネオン対応後⇒爆連
という現象が度々発生した為に、いつしか客の間ではこのような伝説が湧き上がった
Lovely restore to trouble
天使のトラブル対応
とにかくネオンがセレクタエラーを対応する度に、その後ボーナス連打されるものだから「天使のトラブル対応」という造語が客の中で誕生したのだった。
その為、客はセレクタートラブルが起こるとすぐにネオンを直接呼びに行くという事態となった。
中にはセレクタートラブルを発生させる為に、投入口にジュースをこぼすという力技をなす者も現れ始める始末であった。
そのような事態になってからさらに二週間が経過したわけであるが、その異変に気づいた者が約2名存在した。
むろん店長と副店長である。
それは至極当然であった。
というのも、店長と副店長は日々数字を見ている役職であり、ビッグドリームには以下のような変化があったからだ。
ビッグドリーム機種毎データ | |||
---|---|---|---|
期間 | アウト | 台粗 | 平均設定 |
先月 | 9968 | 4560 | 1 |
今月 | 15235 | -28741 | 1 |
店長「今月に入ってからビッグドリームが1日1台あたりで28,741円の赤字‥‥。これゴトられてんじゃねーーの?」
副店長「む‥‥。おかしいですね。ビッグドリームの奇数は噴くかもしれません、しばらく2で営業して様子を見ますか」
結局、原因がわかっていない2人はビッグドリームをオール2にして営業を続けたのだが、当然赤字額はまったく収まらなかった。
そして、ビッグドリームの島はもはや
お祭り状態であった
(やじきた打ちてー)