前回の記事の続きです。

※前回までの話は以下のリンクからご覧ください。
ロストアイランド2(パチスロビッグドリーム)でゴト発生！【前編】
ロストアイランド2(パチスロビッグドリーム)でゴト発生！【中編】

ロストアイランド2　ゴト対策部品

ボノレノフからの要求により、ズシがビッグドリームのメイン基板ハーネスの抜き差しというゴト行為という名の凶行を始めてから一ヶ月半が過ぎようとしていた。

そして丁度その頃、パチスロビッグドリームについてメーカーからのある通達が全国のホールに届いた。

※変更届出とは初めに部品を取り付けた後に、所轄に検査を依頼して承認してもらう手続きをいう

スロット専門店ククルーの店長と副店長は、当然メーカーから対策部品が届き次第筐体に設置することにした。
さらに、副店長はその上でビッグドリームが連日赤字である原因は今回の件が関係していると感じ、ビデオカメラでスタッフに怪しい動きがないのか調べることにした。

しかし、カメラには過去2週間分のデータしか残っていなく、ビッグドリームにおいてはセレクタートラブルでズシやネオンを始めとするその他のスタッフが台を開けているという映像くらいしか確認することはできなかった。
（つまり、ハーネスの抜き差しをしているのかセレクタートラブルに対応しているのか区別がつかなかった）

そのような形で、結局犯人がいるのかどうかも分からない状態だったので、ビッグドリームのゴトの件を早番の終礼でスタッフに伝達することにした。

副店長「ビッグドリームはメイン基板のハーネスを抜き差しすると初期出荷状態となり天国モードに移行するシステムになっている。その為、新手のゴトの手口としてスタッフの目を盗んで扉を開閉しメイン基板のハーネスを抜き差しするというゴトが流行っているらしい。うちの店でも3台設置してあるから十分起こりえる可能性があるので、気をつけるように！
怪しい人物がいたらインカムで報告を徹底してくれ！」

と、この話を早番の終礼でしたわけだが、その時の中には

ネオンと

ズシが存在した。

ズシはその時に初めてボノレノフに利用されているということに気づいた。

今まで何もわけが分からずに、ビッグドリームのメイン基板のハーネスの抜き差しをやっていたわけだが、実はそんな秘密があったとは！！

自分の不審な行動がカメラに写っているかもしれないし、ハーネスの抜き差しをしているところをネオンに見られてしまい、それに対する質問に関しては“セレクターエラー対応時にメイン基板のハーネスを抜き差しすると、その後セレクタートラブルが発生しにくくなる”という苦し紛れの言い訳をしてしまった。

映像からバレるかネオンからバレるかはわからないが
いずれにしても自分がハーネスの抜き差しをしていたとバレるのは時間の問題。
と、とりあえず今日はすぐ帰ろう。

ズシは早番終了後はそそくさと職場を後にして帰った。

副店長「ん！？ズシの奴、今日は帰るの早くね？
しかも顔が真っ青だったけど体調悪かったのかな」

ネオン「・・・・・・・」

同様に早番だったネオンもその後帰宅したわけであるが、ハーネスの抜き差しにおけるズシの行動と言動には不可解なものを感じずにはいられなかった。

そして、夜の10時にある結論に至った

「ズシ先輩は、不正してたんだ」

そう判断したネオンは副店長に電話を掛けて、ズシの一連の行動と言動を話した。
副店長はすぐさまビッグドリームが連日赤字の原因なのはズシとネオンのハーネスの抜き差しが原因であると確信した。

もちろん、ネオンは何もわからずに先輩の意見に従っただけなので無罪であるが、ズシは違う。

副店長「ネオン。わざわざ報告してくれてありがとう。今日はもう遅いから明日の早番でズシに状況を掘り下げて聞いてみるよ」

翌日、副店長は早番で出勤するとズシの出勤を待った。

副店長「奴が出勤したら真相を突き止めてやる！絶対にあいつが意図的に不正を働いていたハズだ‥(怒)」

しかし、早番の出勤時間になってもズシは来なかった。

たまらず副店長はズシの携帯に電話したのだが

ピンポンパンポ～～ン

この電話番号はお客様の都合により通話ができなくなっております

副店長「なんだって！？
ようし！あいつのアパートの住所を調べて乗り込むぞ！」

が、アパートに行ってももぬけの殻。
その後、副店長は入口近くで3日間張り込んだがズシは姿を見せなかった。

副店長「クソッ！一体奴はどこに行きやがったんだ！」

副店長はズシが見つけられないという怒りと、彼に逃げられて悔しいという無念さで、半泣き状態で頭に血が登っていた。

果たしてズシは一体どうしたのだろうか？

ハワイに高飛びしていた。

完