パチンコ店でお菓子を捨てられてた客がブチ切れ!【前編】
私が班長の時にあった話です。
閉店まで残り1時間くらいの時に、ある女性スタッフからインカムで呼び出されました。
「クロロ班長。すみませんがスロットコーナーまで来てくれますか?」
お菓子を捨てられてた客がブチ切れ!
現場に駆けつけると、うちのスタッフのエリカが20代後半のガテン系の男と口論となっている。
▽スタッフのエリカ。ギャルとヤンキーの中間といった感じの21歳
その後、私の存在に気づいたエリカは、その場を切り抜け私のところにきて状況を伝えた。
「お客様が空き台に置いていたお菓子がなくなっていると言っています」
お菓子がなくなっただと?
そんなバカな。
空き台に置いてあるお菓子をパクる奴なんているわけがない。
おそらく、ずっと物が置いてあったということでスタッフの誰かが引き上げたのではないか?
私はホール内にいた全スタッフにインカムで聞いてみた。
「スロットコーナーのパチスロ球児からお菓子引き上げた人はいますか?」
しかし、その後の反応は誰からもなかった。
その後はいちおう念のため、ジェットカウンター下の落とし物入れの箱の中を確認したのだが何も入っていない。
ちなみに、遊技台に物が置いてある場合にはトータルで15分ほど様子をみて、物を引き上げるオペレーションになっており、引き上げ物はジェットカウンター下のスペースに保管してあるわけだ。
もちろん、15分経過したとしても確変やART中の場合には勝手に引き上げずに、班長に報告するルールとなっている。
私はガテン系の男に声を掛けた。
「状況をお聞かせ願えますか?」
ガテン系の男は話す。
「さっきメダルをレシートにしてカウンターで特殊景品とお菓子に変えたんだけどよ。
その後、元の台に戻って遊技台のドル箱の棚にお菓子の入った袋を置いておいたんだよ」
「はい」
「その後、換金所に行って景品を金に変えて台に戻ったら、棚に置いてあったお菓子の袋が失くなっていたんだよ」
「となると、1~2分くらいしか離れてないですね」
「いきなりお菓子が失くなってたもんだから、頭にきてよ。
そこの女店員に聞いたんだよ。ここにお菓子は置いてなかったかって」
「はい」
「そしたらあの女“わからないですね~”といった軽いノリで
すっとぼけた対応しやがってよ!だから頭にきたんだよ」
大まかな状況は掴めてきた。
つまり、この男性は
お菓子が失くなったことではなく、エリカの軽いノリの対応に頭にきたというわけだ。
顧客クレームの8割はスタッフの対応が気に入らないといったことが原因で発生するものだが、今回のクレームに関しては、まさにその典型といえる。
パチンコ店で2~3万平気で使うガテン系の男が、端玉景品のお菓子を失ったからといって、それほどショックを受けるわけがない。
つまり、この男はお菓子云々でなく自分の所有物が理不尽にも消えてしまったことに苛つき、それを店員に確認したら軽くあしらわれてしまったことに怒狂っているということなのである。
男性はなおも話す。
「今から事務所行ってカメラ見てみろ!
俺は納得しねえからな、警察呼んでやるぞ!!」
私は、男性の発言にうなずにその場を離れると、事務所内でまずはエリカを呼び出した。
その後、再度エリカにお菓子は見ていないのか確認しても、わからないとのこと。
仕方がないので、私は事務所のモニターで映像を調べた。
お菓子はどこへ消えた?
その後、映像を確認すると客がお菓子を置いていたというパチスロ球児の217番台には、たしかにお菓子が置いてあった。
しかし、その数分後スタッフがその場にやってきてお菓子を持っていったのだ。
そして、そのスタッフとはエリカだった!
To Be Continued