ガチ取材で抽選時の客層を見て設定変更した話
過去にパチ屋の営業であったことをストーリータッチで書いてみます。
業界の痒いところに手が届く「でちゃう」のイベント
まず、前提として「でちゃう」の雑誌イベントは素晴らしい。
運営者側とユーザー側のニーズを良く捉えている。
「MAJIKA?」
「ガチ取材」
「キックリターンズ」
などなど。
様々な企画を次々と生み出しながらも、それなりの信頼がつくように営業努力している。
だからこそ、全国でこれだけ「でちゃう」を利用するホールが存在するわけであるし、イベントを開催すれば必ず稼働アップに繋がるという結果も出ている。
間違いなく今日のパチンコ業界の発展は「でちゃう」(トリプルエー出版)あってのものだ。
でちゃうのように気の利いた企画ができる媒体は他にはなく、だからこそ「でちゃう」のイベントにこれだけのニーズがあるのである。
もちろん、これらのイベントを開催することによって、それなりの資金が掛かるわけであるが、でちゃうに関しては費用対が取れるんで全然OK。
逆にクソ台を度々リリースするメーカーの方が厄介であり、そのように考えるとメーカーよりも出版社の方が業界に多大なる貢献をしているといえよう。
また、でちゃうの中でも、代表的なイベントとなるガチ取材に関しては全6機種を調査する内容となっているわけだが、この企画もわかりやすくていいなって思う。
従って全国多くのホールで開催されているわけであるが、先々月くらいにあるホールで開催した時のエピソードを書いてみる。
※文章内の「雑誌イベント」とは「雑誌調査」のことです。
「イベント」と名のつくものは業界では全国的に禁止となっています。
だから「イベント=調査」のことなんだけど、ここでは「イベント」といったほうが伝わりやすいんで、そう書いているだけです。
ヨークシンシティ相模原店でガチ取材を初開催!
ヨークシンシティ相模原店は地域一番店だった。
昨今の旧基準機50%規制を無視するだけでなく、初代牙狼を1ボックス設置していたことにより、機種ラインナップにおいては競合店に圧倒的な差をつけていた。
競合店においては
CR牙狼 魔戒ノ花のミドルスペックが動いているなかで、ヨークシンシティ相模原店においては初代牙狼が動いている。
また、競合店においては
バジ絆・凱旋・沖ドキといった旧基準機が100台に満たない状態であるのに、ヨークシンシティ相模原店においてはそれらの旧基準機が200台を超えているのだ。
そりゃあ、パチンコ・スロットユーザーはヨークシンシティ相模原店で打つだろう。
その為、ヨークシンシティ相模原店は圧倒的な地域一番店として君臨していたのである。
ちなみに、このホールがなぜ初代牙狼を大量設置することができたのか?
そのカラクリは以下の記事に書いてあるので、ぜひ読んでもらいたい。
ヨークシンシティ相模原店でガチ取材を初開催
「のう。ゴトーよ。
今日は、ガチ取材初開催なんだろ?
しっかり設定は入れたのかえ?」
「はっ!クロロエリア長。
そこは万全の状態で入れておきました。
まどか☆マギカのマミパネルが全6になっておりまする」
▽魔法少女まどか☆マギカ マミパネルver。ユニバーサルエンターテイメントから限定1000台として登場した限定モデル。
「ん?ちょっとまてゴトー。
うちって、まどマギが全部で12台あったよな?
その中でマミパネルは4台だけだろ?
全6機種となるわけだから、それはマミパネルだけじゃヤバくないか?」
「むっ!
そうでありましたか、それは危ないでござりまするな。
雑誌でもしっかりと出ているところをアピールするために、対象機種はすべて赤字にするつもりでござりまする」
このような他愛のない会話がオープン前に繰り広げられていた。
そして、ゴトーはとりあえず、まどマギ12台を全6に打ち替えてきたのだった。
その後、朝礼を終えると、クロロエリア長は開店前作業中の巨乳店員を事務所のモニターで追尾しながら、ゴトーと営業の会話を始めた。
「いいかゴトー。
このエリアでは私の管轄する他のグループ店2つは苦戦を強いられているが、ヨークシンシティ相模原店だけ、圧倒的な地域一番店となっておる。
その要因に関しては、何より客層の良さにある。
営業では入れても中間設定だが、それでも機種構成の魅力により一般層に多くの支持を受けている。
だから、今後の営業においてはプロは相手にしなくていい。
一般層に徹底的に還元する営業にするんだわかったな!」
「はっ!
わかり申したクロロエリア長」
以上のような会話を終えるとオープン30分前となり、整理券の抽選時間となった。
そして、インカムでの報告においては並びは200人とのことで、この数字はまさしくガチ取材効果によるものだった。
クロロエリア長はガチ取材を開催したことはまさに正解だと思った。
「すげえなガチ取材。
ものすごい効果じゃあないか・・」
ヨークシンシティ相模原店においては、朝一の稼働にはそれほど強くなく、週末でも通常営業日においては30~40人程度の並びだった。
しかし、それが200人とは約5倍の効果を発揮したことになる。
今回のガチ取材は初開催となったわけだが、予想以上の効果にクロロエリア長は身震いせずにはいられなかった。
「ゴトー。
ちょっと、外行ってくるわ。
抽選の様子を見てくる」
「はっ!
分かり申した」
200人超えの並びはかなり久しぶりだったので、クロロエリア長は抽選の様子が気になり、駐車場へと足を運んだのだが、そこで驚愕の事実を目撃することになろうとは知る由もなかった。
オープン直前の設定変更
「さてさて、抽選の行列においてはどんな奴らが並んでいるのかのう」
次の瞬間、クロロエリア長の顔は青ざめた。
「ゲッ!」
「ゴトーォオオオオ!」
朝一の並びで、ガチ勢のあまりの多さに驚愕したクロロエリア長はすぐさまゴトーの元に直行。
早急に設定変更するようにと伝えた。
「ゴトー!
名だたるプロが集結しておるぞ!!
まどマギを全6にしたら速攻で食われる!
機種を変更するんだ!」
「はっ!
分かり申した」
その後、開店5分前に、まどマギをオール2に落とし、プレミアムビンゴ全8台を1から6に上げることになった。
以上の試みより・・
ガチ勢は流石に朝一からビンゴを打つことはなく、他の一般層がビンゴを打ち大勝ちすることとなった。
今回のまとめ
以上の話はノンフィクションである。
地域1番店の店長と飲んだ時にそのようなことを話しており、ハッキリと朝の並びの客層を見て高設定を入れる場所を変えたと話していた。
これが、地域3番店以下のホールであれば、まどマギなど分かりやすい機種を全6にして営業したであろうが、スロット全台がフル稼働となる地域1番店ともなると、わかりにくい場所に入れてプロを排除するという営業をするのはしごく当然といえる。
ただし、今回のケースに関しては早番に店長がいたのでそのような決断ができたといえる。
これが、もし現場に主任しかいなかったら、客層を見て設定を落としたり当たりを入れる場所を変えたりすることなど、できる権限がない。
だから、今回のケースでは
たまたま店長が早番にいたので、臨機応変な対応を取ることができたといえる。
これはガチ取材だけに限った話ではないが、そのイベント日だけにしか来ない客にいかに還元しないかということが、営業での重要なテーマとなってくる。
そういう意味では権限のある店長は、毎回早番出勤するか、そのような権限を部下にも持たせる必要があるのである。