パチンコ店で24万パクられて客に土下座した話 後編
昨日の記事の続きです。
昨日の記事を読んでない方は、以下のリンクの前編からどうぞ。
パチンコ店で24万パクられて客に土下座した話 前編
「これはヤバい・・」
自分の不注意で、24万円が盗まれているのを気づいて私は考えた。
どうにか上司に知られずに解決する方法はないのかと・・。
早番の時間帯においては、主任の私以外は全員アルバイトだったので、今回のミスに気づく者はいないのだが、午後3時以降になると遅番スタッフが出勤してくることになり、その中には班長や店長が存在している。
そして、早番と遅番が被る時間帯に、遅番の班長が両替機の金を途中回収して現金が合っているのかをチェックするので、その時点で24万少ないことがバレてしまうわけなのである。
私は考えた。
どうにか上司に知られずに解決する方法はないのかと・・。
家内に電話して24万を銀行に振り込んでもらう
その結果、私は以下の解決方法を考えた。
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①家内に電話して24万円を私の銀行のカードに振り込んでもらう
②車で1分の場所にあるファミマに行ってATMから24万を下ろしてくる
③24万を両替機の中に入れて補填する
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以上の、対応をすることによって24万パクられたのが隠せるというわけなのである。
私はその後、家内に電話をして有無を言わさず24万を銀行に振り込むようにと伝えた。
なぜ24万が必要なのかという大まかな流れは家内に伝えたわけだが、家内としては腑に落ちない部分はあった・・というか、かなり戸惑っていた。
まあ、そりゃそうだろう。
で、次に問題なのは、ファミマのATMまで行かなければならないということだった。
これに関しては、アルバイトの女性スタッフのみを残して行かなければならないので、最も困難なミッションだった。
ファミマまで行って金おろして帰ってくるのに、ざっくり10分くらいだろうか。
その間に、パチンコ店内はアルバイトスタッフのみとなってしまう。
現場で何らかの「遊技台トラブル」「現金トラブル」「顧客トラブル」が発生して、私をインカムで呼んだけど反応がなかったという事態となってしまってはマズイ。
これはどうするべきか・・。
駐車場チェックに行くふりしてファミマに直行
そこで、私が思いついたのは「駐車場チェックに行くふりしてファミマに直行」するという作戦だった。
・・というか、それしかなかったのですぐに実行した。
私はスタッフにインカムで伝えた。
「あ~、ちょっと駐車場の様子見てくるんで、外行ってくるね。
ひょっとしたらインカムの電波が届かなくなるかもしれないけど10分以内に戻ります」
以上の、私の発言に対して全スタッフから「了解」との声が返ってきた。
その後、私は速攻で自分の車に乗り込んでファミマへと向かった。
ちなみに、当時の私は主任だったのでスーツを着用していたので、コンビニに入る際の服装においては問題はなかった。
幸いATMを使用している客はいなかったのでスムーズに24万を引き出して、速攻で店舗へと引き返した。
主任がいぬ間に遊技台トラブル発生!
その後、店舗に戻ると、スタッフの一人からインカムが入った。
「クロロ主任!至急、海物語コーナーに来てください!」
現場に駆けつけると、女性スタッフの一人が30代前後の輩系の客と対応しており、客はイライラしている様子だった。
話を聞くと、海物語3の大当たり中に玉飛び不良をおこしパンクしたとのことだった。
そして、その女性スタッフに関しては、玉飛び不良を直すことができないばかりか、そもそも大当たり中の場合であればアタッカーのVゾーンに玉を入れながら対応しないとパンクしてしまうので、そのような対応が求められたわけなのだが、まだ新人だったのでその知識すらもなかったのである。
その為に、私のことをインカムで呼んだのだが、私が反応しなかったのでそのまま対応できずに客を怒らせてしまったということだった。
その客は、怒鳴ったりなどはしなかったのだが、心の奥底より怒りに満ち溢れているようだった。
「この女が対応できねえのはしょうがねえわな。
でも、なんで責任者がいねえんだよ」
「申し訳ありません。
大当たりが消化できなかった分は補償します」
以上のようなやり取りをしたわけだが、補償されるだけでは腹の虫がおさまらないのだろう。
私の方も「補償すればいいだろ?」といった雰囲気を醸し出していたのかもしれない、今回の件に私の対応の拍車がかかり客の怒りは静まらなかったのである。
「俺もパチンコ店で働いてるんだがよう。
おめえの対応はなんだそりゃ。
補償すればいいだろとか、そういう問題じゃねえんだよ」
「部下が対応できねえなら、責任者が出てきて対応するのが普通じゃねえのかよ?」
何という悪いタイミング!!
こんな遊技台トラブルは1日に何度も起こることではないのだが、私がファミマに行っている10分の間に起こってしまい、しかも新人スタッフが対応してしまうとは・・。
私は思わずため息をついた。
すると、輩は間髪をいれずそこにツッコミを入れる。
「てめえ!なに、ため息なんてついてんだあ!
まったく反省してねえじゃねえかよ!」
もう、輩はカンカンに怒っていた。
私が何度謝っても「ふざけるな。俺は納得しねえ」の一点ばりだった。
その状態が15時過ぎまで長引いては、業務に支障をきたすだけでなく、店長や班長が出勤してしまうので、どうにかそれまでには解決しなくてはならない。
私は何度も腰を低くして、謝ったのだが「頭が高い。それじゃ納得できねえ」と繰り返し言ってきたので、
途中から「こいつは俺に土下座させようと思っているのか」と私は察したのである。
ただし、流石に土下座してまで謝りたくはなかったので、何度も頭を下げて諦めてくれねえかなと思ったのだが、
「ダメだこいつは・・。
私が土下座しないと、納得してくれない」
そう悟った。
・・となると、店長が出勤してくる時間まで粘られるのが一番厄介なんで、他の人に見えないカウンター裏に移動して、
「すみませんでした」
と土下座したのである。
小学生時代は、なんかの遊びで土下座とかしていたものだが、大人になってからの土下座は始めてだった。
そして、その感想としては・・
「すげ~~~気分悪かった!!」
まさに、こういう気分だった。
そして、そいつの勤めているパチンコ店を突き止めて嫌がらせをしてやろうかと思ったわけだが、結局、勤め先を突き止めることはできなかった・・というか、その日以来その客を見掛けることはなかった。
という、あまりにもクズ過ぎる(私が)思い出です。
(ちなみに、24万パクられたことを隠蔽するのには成功しました)
完