換金所殺人で500万奪って逃走した話【前編】
当時の私は大学3年生の21歳。
今では考えられないがパチンコとは無縁の生活を送っていた。
というか、パチンコには興味がなかった。
いつも何をやっていたかというと、友人とバンド活動やフットサルをしたり、ニンテンドー64の実況ワールドサッカーやプレイステーションのウイニングイレブンに明け暮れていました。
そして、その当時私は山梨に住んでいたのだが共にバンド活動をしていた親友のジョネスは横浜に、もう一人の親友のフィンクスは東京の町田に住んでいた。
バンドメンバーは3人であり、その3人とも地元の四国出身でいずれも大学生だった。
なんと幼稚園からの付き合いなのである。
ある日、大学に通学中の車内で山梨県内のとあるパチンコ店で殺人事件が起こったニュースが流れた。
午後過ぎに換金所スタッフがドアを開けた際に、何者かに刺されて現金500万が奪われて逃走したとの事件だった。
私は当時からいつも食えない冗談を連発していたので、フィンクスと電話した際に
「実は、さっき●●市の●●店の換金所のドアが開いていたので魔が差して現金を盗んでしまったら、スタッフに遭遇してしまって思わず刺してしまった。今、現金500万を持って町田に向かっている。ちょっとかくまってほしい」
といった冗談をギャグのつもりで真剣に話しました。
フィンクスは「ああ、そうかー。ふーーん…」みたいな感じで微妙な反応だった。
さらにその後に「いやいや、それは嘘だろ~」といったことを言われましたが、私はそれを否定しました。
それからしばらくして、その日の夜となりますが山梨の●●市内の定食屋で一人で飯を食べている時にジョネスから電話がありました。
「クロロ。今どこにいるんだ?」
「神奈川の緑区あたり、定食屋で晩飯を食べてる」
ジョネスは言いました。
「換金所のスタッフを刺したんだって?冗談だろ?」
「いや、本当だよ。つい魔が差してしまって…」
ジョネス
「盗んだ金を返しても解決できないってことだよな。もうどうにもならないんか…」
「そうだな。もうどうしようもないよ」
ジョネス
「…わかった。じゃあ、とりあえず運転気をつけろよ」
そんな感じで会話を終えました。
フィンクスからの情報でジョネスからも電話が来るとは予想外でしたが、フィンクスもジョネスも私が換金所で強盗したという冗談を信じているようでした。
誰がどう聞いても嘘だと思うこういった冗談をなぜ二人は信じたのでしょうか?
その答えは後編で明らかになります。