海物語で出玉が少ないというクレームが発生!原因は!?
何年も前の話である。
とある平日の午後3時過ぎに、週に1~2回見かける海の常連からクレームが入った。
「大当たり終わったんだけど、ずいぶん出玉少なくない?」
そのような報告がアルバイトから上がり、私はすぐさま現場に向かった。
その後、現場で状況を見てみると、実際に確変中で3連したのだがドル箱が2箱に満たない状態だった。
「調整ミスか・・」
私はすぐさまそう思った。
実際に、この客が打っていた大海は利益が取れない為に苦肉の策でアタッカーをシメていると、先日店長がボヤいていたのを思い出した。
しかし、大当たり分の払い出し遅れや釘折れ。
または、アタッカー自体を狙ってなかったなどなど、玉数が少なくなってしまった原因は他にもあるかもしれない。
私は、その台の盤面や賞球ケースなどをチェックして異常がないかを確認した。
そして、結果的に異常はなかった。
「申し訳ありませんお客様。台の異常はないようですので、大当たり玉数に関しては問題ないと思われます」
元々アタッカーをシメているということと、客の被害妄想による勘違いなのではと思った。
実際に打っていたのは70代という高齢の女性であるわけだし。
しかし、その後7~8連したのだが出玉は5箱にも満たなかった。
私は、やはり調整ミスかと思い気まずい気持ちで、海物語コーナーを避けながらホールを回っていた。
ホルコンをよく見てみろ!
しかし、その数分後、事務所にいた簑店長から呼び出しをくらった。
「てめえ!クロロ!
お客さんになんて対応したんだ?
あれは間違いなく機械トラブルだぞ」
私は、完全に調整ミスだと思っていたので、機械トラブルとは予測していなかった。
その後、何が原因なのか店長に言葉を返すと
「ホルコンをよく見てみろ!」
と一喝された。
その後、ホルコンでデータを見たのだが・・・たしかにデータがおかしい。
具体的にいうと
T10(大当たり消化中の打ち込み玉数)が高く
T1Y(大当たり中の差玉)が低かった。
つまり、1回の大当たりで異常に玉を打ち込んでしまった為に、獲得玉数が少なくなってしまっていた。
もちろん、アタッカーの釘をシメるとそのような現象が起こるのだが、調整ミスどころではない異常な数値だった。
「これは何かがおかしい」
そう思った私は、再び現場に戻って確変消化中の客の後ろから、遊技盤面をさり気なく凝視。
すると・・。
「ゲッ!!」
「アタッカーの釘が折れてる・・」
アタッカーの釘折れ
つまり、上の図解でいうアタッカー左上の釘が折れてしまっていたので、左側がらアタッカーに入るハズの玉が、全て左側に流れてしまっていたのだ。
その為、大当たり消化時間も通常の倍以上掛かってしまい。
結果として大当たり中の獲得玉数も減ってしまっていた。
「釘が折れているのに気づかなかった・・」
実際に釘折れというのは非常に気づきにくい。
打っている客でさえ気づかないケースも少なくなく、気づくケースといえば閉店後に釘調整している最中に、店長が一番初めに釘折れを発見するというケースがほどんどである。
私は、その後事務所に行って、釘が折れていたということを店長に報告した。
「すみません。釘が折れてました」
「なんてザマだバカ野郎!
釘折れということが分かっていたら、右打ちで消化させて
確変消化後に、台の電源を落とせば良かったんだ」
店長はさらに続けて話す
「それが釘折れではなく、普通に店舗の調整で出玉が少ないという認識を客に持たれてしまったのが痛い。
あの婆さんはライバル店に流れてしまうぞ!」
たしかにその通りだ、私はとんでもないことをしてしまった。
私は、以下のようなことを店長に話した。
「今からでも遅くはありませんので、原因は釘折れだったということをお客様にお伝えして今までの大当たりで出玉が少なかった分を、補償して来ようと思います!」
しかし、その後店長は以下のように答えた。
「・・・まあ待て。
あの婆さんからしてみたら、ひともんちゃくが終わり、ある程度心の整理をつけた上で現在消化している。
このような状況で、またお前が行って「やっぱり機械トラブルでした」と話をして、怒りを再燃させるのは得策ではない。
ここは声を掛けないでおこう。
遊技をヤメたらさり気なく台電を落として止めておけ」
以上。
今でも思い出すと気まずくなる思い出でした~。