[とんでもないパチンコエリア長の話 後編]確変を翌日に残してブチ切れ!
昨日の記事の続きです。
過去記事は以下をご覧ください。
⇒とんでもないパチンコエリア長の話 前編
⇒とんでもないパチンコエリア長の話 中編
前・中編でも書いたように、小豆エリア長は営業の腕は一級品ながらも何かと問題がある人物であった。
そのようなこともあり、とりわけエリア長からの営業に対する指示は厳しく、その辺は責任者である簑店長と雨夜副店長がだいぶ神経を消耗していたことと思われる。
ある新装開店における出来事
そして、ある新装開店日の夕方に、店舗を立ち寄った小豆エリア長が、事務所に足を踏み入れた際の第一声は
お前ら一体
何やってんだ!
その時に、事務所内にいたのは私(クロロ)と雨夜副店長の2人だったのだが、小豆エリア長は新装開店初日のホール内の様子を1~2分見ただけで、これは完全に赤字営業をやらかしていると悟り、事務所に足を踏み入れるなりいきなり怒鳴ったのだった。
エリア長は続けて話す。
「簑(店長)はどこだ!?」
副店長が答える
「近隣の競合店視察に行っています」
エリア長
「今すぐ店に戻るように連絡しろ!」
夕方の時点で赤字は150万に膨らみ、最終的にその日の営業は220万の赤字となった。
300台クラスの小型店でこの赤字はたしかにありえない金額ではある。
店に到着した店長の簑にエリア長は罵声を浴びせる。
「馬鹿野郎!なんて営業してんだ!」
その後、ちょっと落ち着いて話す。
「いいか。明日からいきなりシメるんじゃねえぞ!
3日間ヘソはいじるな。BAとT1Yのみで丁寧に利益をコントロールするんだ」
まあ、このようなやり取りは、現在でも見られる光景ではある。
ちなみに、後から雨夜副店長に聞いた話だが、この日の営業に関しては店長と副店長で相談し、エリア長に怒られてもいいから赤字調整で営業したとのこと。
競合店と自店の状況を加味した時に、その日の新装開店を勝負所と位置づけていたようだ。
とにかく勝手に赤字にすると烈火の如く怒り出すエリア長が世に存在するので、そこは世のパチンコ店長が頭を悩ませていることと思う。
ちなみに、私もエリア長という職務についてるが、私の場合は各々の店長が最終的にノルマを達成できるのであれば、途中赤字を出してもとやかく言わないスタンスで望んでいる。
絵に描いたようなパワハラ
ある時、簑店長が身内の不幸により3日間休みを取ることとなった。
その為、店長不在となる3日間は小豆エリア長が営業の指示を、副店長である雨夜に与えることとなった。
そのような形で、3日間の営業はエリア長が指揮することになったわけだが・・
まず初日に関しては、海の出方がいきなり変わった。
ある特定のボックスにある海(新海物語M27)から20箱オーバーと爆裂する台が複数出現した。
これにいち早く察知したのは、海の常連で
「いきなりあれは何なんだ」とクレームの嵐となった。
爆裂していた複数台はいいとしても、それ以外の海はかなりシメられていたらしい。
おそらくエリア長は、その時に海の裏基盤を使ったと思われる。
そして、2日目。
その日、夕方ごろ事務所にやってきたエリア長はホルコンのデータを見てある異変に気づいた。
「ん!?これ確変残したのか?」
当時は、確率変動で閉店した際に、その状態を翌日に残して営業するというホールが珍しくなかった。
もちろん、営業責任者の指示を無視して勝手に残すことは許されないのだが、近くにいた雨夜副店長は以下のように答えた。
「はい。昨日、小豆エリア長様から確変を翌日に残すように、指示がありましたのでそのように致しました」
「・・・そうか。わかった」
ぶっちゃけ、エリア長は自分で言ったことを忘れているのかなと思ったが、まあこういった指示の食い違いは仕事をしていると往々にしてあるものだ。
そして、3日目。
再び、夕方ごろ事務所にやってきたエリア長はホルコンのデータを見て、またも異変に気づく。
「ん!?これ確変残したのか?」
「はい。昨日、小豆エリア長様から確変を翌日に残すように、指示がありましたのでそのように致しました」
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エリア長は近くにあった灰皿を床に叩きつけて叫ぶ
てめえ!
ふざけるな!
上からの指示がねえと
何もできねえのか!
自分で考えて
行動しろよ
この馬鹿者がぁ!
まさに絵に描いたようなパワハラである。
とうか会話が成り立っていない。
確変を残す残さないの食い違いで、自分で考えて行動するもクソもないだろうに。
私は後にも先にも、これほどの形相とこれほどの声のボリュームで、他人に対して罵声を発した人物を見たことがない。
その時に事務所内にいたのは、私1人だけだったが、まさしく騒然とした雰囲気となった。
当然、その後副店長は納得いかず、怒りをぶち撒けて事務所を出ていったエリア長に連絡。
「昨日、確変は残すようにおっしゃいましたよね!?」
しかし、すぐに電話を切られてしまったらしく、酷く動揺していたのだが、間もなくして動揺は怒りへと変貌した。
「クロロ!今の見たよな?エリア長、灰皿投げたの見たよな?
ちくしょう、これはパワハラだ。絶対に訴えてやる・・」
遊技台のカギを持って帰ってしまうという不祥事
それ以外においても、とにかくそのエリア長は常に何かしらをやらかす問題児だった。
例えば、閉店後にスタッフのカギを回収して金庫にしまう際に、カギが一本足らないということがあった。
ちなみに、業界人であれば、誰もが知っていることと思うが、遊技台のカギが一本なくなるだけで大変なことになる。
というのも、そのカギは全店共通である為に、A店のカギをB店で使用することも可能となる。
つまり、ゴト師の手に渡ってしまったら、全店でゴト行為がやり放題となってしまうわけである。
(台を開けて行うゴトなので、この場合は基盤・ロム交換や、ぶら下がり基盤取り付け等のゴトが可能となる)
その為、新人社員にカギの重要性についてを説明する際には、1本100万以上の価値があるものなので、失くしたら大変なことになるといった感じで話をしている。
ちなみに、店長や主任や平社員など役職を問わず、実際にカギを失くす奴がたまに出現するのだが、その場合は問答無用で減給&降格の処罰がくだる。
話を戻すと、そのようにカギが失くなったことに気づいた時に、明け方まで社員全員で店内を組まなく探索したということがあった。
しかし、どうにも見つからず、絶望と疲労でクタクタになって解散したわけだが、翌日にエリア長がカギを家に持ち帰っていたことが判明。
閉店後の釘調整を手伝う際に借りたカギを返却するのを忘れて、それが翌日に上着のポケットから転げ落ちたらしく
「わりぃわりぃ」
の一言で、カギを返しにきたとのことだった。
小豆エリア長 解雇
そのように人間的に問題が山積みであった小豆エリア長も、それから1年後には解雇となった。
まあ、表向きは解雇だったかもしれないが、おそらく懲戒解雇だったのだと思われる。
なんでも社内における機密事項。
特に裏基盤系の話を競合店に流したり、転売などをしていたらしい。
今回は極端な例ではあるが、このようなロクでもないエリア長が過去に多く存在していた。
そして実際に、ロクに仕事せずにエリア長というだけで、一般サラリーマンの倍近い給料を稼いでいた人物も珍しくなかった。
しかしそれは、パチンコ業界がバブルだったときの話であり、現状においてはそんな人物を社内に置いておける余裕はどこの企業にもない。
このような人物は今の時代であれば、自然と淘汰されていくと思われるが、このような老害はどこの企業にも多いということは想像がつく。