【班長時代の失敗談】掛け持ちを注意したら客がブチ切れ!後編
前回の記事の続きです。
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常連が事務所に押しかける
私の対応にブチ切れた常連は事務所に押しかけた。
私はそれを知らなかったのだが、その20分後に休憩で事務所に入ると、店長が常連と事務所の机に座って話をしていたのだった。
そして、私の顔を見た常連は再度怒りがこみ上げてきたようで、椅子から立ち上がって
「てめえ!!」
といった雰囲気になりつつあったのだが、すぐさま店長になだめられて着席した。
その後、店長は事務所で常連の話に相槌を打ちつつ、不満に同調し話題をスロットなど他の話にすり替えていった。
そして、最終的には
「お前の対応が悪かったから、お前からも謝りなさい」 と常連の目の前で店長に言われたので
「すいませんでした」 と謝ることによって、その場は終了となった。
店長からの説教
その後は店長から軽く説教された。
「火のないところから煙が立つことはないわけだから、お前の対応に問題があったんじゃないのか?」
「いつも穏やかなあの常連が、あれだけ血相を変えて怒るということは、やはりお前の対応に問題があったということだぞ」
などと言われたのだが、詳細まではあまり憶えていない。
私としては、業務をまっとうしただけなので、腑に落ちない部分もあったのだが、あまり深く考えても仕方がない。
早番終了後はいつも通り、当時の超絶ハイエナ機であったマリンカーニバルを稼働してから帰宅の途についた。
客のルール違反は見て見ぬふりをしろ
今回の件に関しては私の対応が悪かったのだろう。
掛け持ちを取り締まることは正しいことだが、その伝え方や表情の作り方などが完璧だったのであれば、やはり普段穏やかな客がブチ切れるなんてことはなかったはずだ。
そして、特にパチンコ店ではこのようなトラブルが起こりやすい現場であるので、懸命な奴ほど掛け持ちを見て見ぬふりしているケースが多い。
下手に掛け持ちを注意して顧客トラブルを起こそうものなら、それによって上司からの評価が下がる可能性もあるし、普段の現場での仕事もやりずらくなる。
だから懸命な奴ほど、掛け持ちのみならず台パンといった現場を目撃したとしても、客に注意をすることはしなかった。
そしてそのようにして、現場でのトラブルの火種を回避し、そつなく仕事をこなし主任あたりまではスイスイと出世していった奴が本当に多かった。
しかし、それに対して私の場合は顧客トラブルが本当に多かった。
対応自体が上手くないのに、ルール違反には率先して取り締まっていった結果、ボコられたことも度々あった。
ある時には、それらのトラブルに心配した他店の元上司からこのような電話があったこともハッキリと憶えている。
「クロロ!お前あの要注意人物の常連に掛け持ち注意してボコられたんだってな!
あんなの無視しとけばいいんだよ。あいつにそんなこと注意するのはお前くらいだぞ」
私はそれを聞いて“ルール違反する客を見て見ぬふりすることが当たり前なんだ”ということを悟った。
ただ、その言葉さえも自分には腑に落ちなかったので、その後もスタイルを変えるつもりはなく、ルール違反に次々と切り込んでは、トラブルは絶えなかった。
現場の最前線は大変
そのように、客を放置してのらりくらりとスピード出世した店長に言いたいのは、現場のスタッフの気持ちを分かってやれということだ。
現場で働くスタッフは最前線で働いており、時と場合によってはやりたくない対応もしなければならない。
そして、最前線で働いているがゆえ第一次トラブルに遭遇しやすい立場となっている。
例えば顧客トラブルとは第一次トラブルに発展して、そこで解決できなかった場合には、店長などそいつの上司が出てきて話をするわけである。
そして、多くの場合はここで顧客トラブルは解決する。
なぜなら、店長が出てきたことによって客は一定の満足をするということと
あとから出てきた店長に、最初に対応した従業員の対応の悪さを口にすることでストレスを発散することができるからである。
しかし、ここで問題なのは俺の対応が良かったからトラブルが解決したと思う店長が実に多いという事実である。
言うまでもなく、その時のトラブルが解決した要因は、店長という立場の人間が対応を変わったからということと
第一次トラブルではなく第二次トラブルを対応したからということに他ならない。
つまり、まずトラブルが発生して解決しなかった時は、対応する人を変えることによって、解決する可能性が高くなるということである。
例えば、あとでブログにも書こうと思うが、ある店長がホールを巡回中に現金サンドに蹴りを入れた客がいたので、止めようとして体に触れたところ
「激しく羽交い締めをされたので、関節をおかしくした」といって、チンピラを数人引き連れてきて金銭を要求されたということがあった。
このようなケースとなると、本社の特殊部隊を呼ばないと解決は難しいので、店長も上司の助けを求めるケースはあるのである。
しかし、あとから対応した上司が「お前の対応が悪かったからトラブルとなった」と言っては、第一線で体を張って働いている部下は悲しむだろう。
てめえが2次トラブルに対応して解決したから、そのような言葉が出てくるのかと思うが、そもそも2次トラブルの対応となった時点で解決してあたり前なのである。
しかも、平社員よりも店長と話した方が客が納得する可能性は高いし
トラブルが解決した原因はタイミング(2次トラブル)と立場(店長)によるものなのに、それを自分のスキルが優れていたから解決した、そして顧客トラブルを起こした部下はそのスキルが劣っていたと解釈してしまう店長が非常に多いのである!
おそらく、これに関してはパチンコ業界に関わらず、すべてのサービス業に当てはまることであろう。
やはり、私としてはそういった考えは改めてほしいと切に願う。